みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
今回は場合の数についてです。
場合の数の問題は、手間がかかる、数え漏れがある、面倒だ~、
など様々な理由で解きにくい問題となっています。
そんな場合の数の問題での正解率を上げるにはどうすればよいか?
そのポイントをお伝えいたします。
まずは次の問題をご覧ください。
袋の中には大小1つずつのサイコロが入っていて、大きなサイコロが出たら時計まわりに、小さなサイコロが出たら反時計まわりに進めます。
サイコロを2回投げたとき、次の問いに答えなさい。
ただし、どちらのサイコロも1から6までの目が書かれており、1回目で投げたサイコロは袋に戻すものとします。
(1)駒がAに戻ってくるサイコロの目の出方は何通りあるか求めなさい。
(2)駒がEにいるサイコロの目の出方は何通りあるか求めなさい。
(3)駒がCにいるサイコロの目の出方は何通りあるか求めなさい。
(頌栄女子学園 2018より)
この問題にどう取り組むでしょうか?
オーソドックスな解き方は、取りだすサイコロの大小で場合分けをし、それぞれの場合にA・E・Cに来る目の組み合わせを考えるというものです。
その場合は、樹形図を描くでしょう。
しかし、その解法は確実に答えを出すことができますか?
サイコロの大小の場合分けを数え忘れていたら、樹形図で1つ描き損ねていたら
おそらく正解にたどり着くことは不可能です。
ではどうすれば?
正しい解法は、考えられる組み合わせを全て書き出して数える、になります。
え~全部書くって面倒くさい!時間かかりすぎる!
という声が聞こえてきそうです。
よく考えてみてください。
樹形図や計算式をチャチャっと書いて短時間で答えを求めたとします。
その答えが正しくなければ点数はもらえませんし、かけた時間も全て無駄になります。
だとしたら、多少時間はかかっても、確実に答えが出せる(もちろん正しい作業をすることは必要です)解法のほうが、
得点できる可能性はグッと高くなりますよね。
そして、この問題は全ての組み合わせを調べれば(1)(2)(3)全て解くことができるため、効率が良く全問正解できるわけです。
では全部調べるとしたら何通りでしょうか?
サイコロは大小の2つあり、それぞれ1~6の6つの目がありますので、
1回振ると12通りの進み方があります。
それを2回おこなうので、12×12=144通り調べれば良いわけです。
144通りありますが、1回目の移動で同じマスに来る場合、2回目の移動は
同じことになりますので、実際は12×5=60通り調べればOKとなります。
1つ3秒で書いても3分時間を取れば全て完了します。
これが確実に時間をかけすぎず正解する方法です。
受験生の皆様は特に、「①確実性 ②思い出しやすい ③作業が楽」の順に解法を選ぶようにしてみましょう。
実際は次のような表を書きましょう。
答え (1)30通り (2)28通り (3)29通り となります。
この確実性最優先の解法は、場合の数・規則性で特に有効です。
それではまた次回お会いいたしましょう!