みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
今回は立体図形より「影の問題」です。
立体図形と影の問題はそれ自体難しいのですが、差しこむ光が
斜めからになると、もうどうしていいかわからなくなります。
今回のコツは、どのような状態になるかを捉えるものになります。
まずは次の問題をご覧ください。
(平成23年 灘中 一部改題)
今回紹介する解き方は、高校数学で使うXYZ座標を取り入れたものです。
XYZ座標と聞くとかなり難しそうですが、ようは3方向にどれだけ進むのかを
数字で表すものです。
近年、今回の問題のような立体的に複雑な問題が増えてきていますので、
ライバルに差をつけるためにもXYZ座標の解き方を身につけておきましょう。
まずは日光の進み方を数字で表したいと思います。
使うのは、頂点Sとその影の位置です。
次の図をご覧ください。
Sを通った日光は下に10㎝、奥に12㎝、右に6㎝進んで地面に到達
しています。この下・奥・右の関係が、常に同じ(この問題では)である
ことがポイントです。
たとえば、奥に18㎝進むとしたら?
18÷12=1.5倍なので、下に15㎝、右に9㎝進むことになります。
この関係を使うことで、1方向に進んだ距離が分かれば、残り2方向に
どれだけ進むかも求めることができるわけです。
●ポイント1
斜めの光は「上下」「前後」「左右」の3方向でどれだけ進んだかでとらえる。
●ポイント2
日光や平行な光は、どこでも3方向の進む比は同じになる。
ではPの影の位置を考えてみます。
次の図をご覧ください。
Pから面CDSRまでは10㎝離れていますので、
今回は奥に10㎝進むことが決まっています。
あとは、これに合わせて、下:奥:右=10:12:6=□:10:□ の比例式を使って
求めていきます。
下 10× =㎝ 進む
右 6×=5㎝ 進む
つまり、点Pの影は
辺DSから5㎝右・辺CDから㎝上 の場所になります。
位置を示すと下図のようになります。
いかがでしたか?以上が、XYZ座標解法の入門編になります。
斜めの光は直方体の対角線(面ではなく立体としての)になりますので
3方向に分解することができます。
XYZ座標の考え方が分かってくると、中学・高校の数学に進んだときに
ベクトルを理解しやすくなりますし、空間図形の問題も解きやすくなります。
次回は応用編ということで、窓を通り抜けた光が壁にどう映るか?
という開成中の問題を解説してまいりたいと思います。
お楽しみに。