みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
今回は正方形タイルことポリオミノについて解説します。
ポリオミノって何?と思われますよね。
ポリオミノとは、複数の正方形を点でつないだ多角形のことです。
2つつないだものをドミノといいます。そうです、あのドミノです。
回転させたり、裏返したりすると重なる図形は1種類として数えると
ドミノは1種類しかありません。
3つつないだものはトリオミノまたはトロミノといいます。
ではトリオミノは何種類あるでしょう?
正解は2種類です。
下の図のように、ドミノにもう一つ正方形をつけて作りますが、そのときに
つける場所によって樹形図を作って考えます。重複するものに気をつけましょう。
4つつないだものはテトロミノといいます。聞き覚えありますか?
このテトロミノが落ちてきて敷き詰めていくパズルが「テトリス」です。
このゲームを考案した科学者は、水族館でヒラメが舞い降りて海底と同化したり、
ヒラメの上にヒラメが重なるのを見て思いついたそうです。
テトリスでは7種類のブロックが落ちてきますが、裏返して重なるものを除くと
全部で下の5種類になります。
そして、5つつないだものをペントミノといいます。
中学受験の世界でも、かつてペントミノは何種類あるかを答える問題が出題
されました。
これもテトロミノから樹形図で全ての形を一度作成し、
重複するものを消去して数えることになります。以下の12種類が正解です。
以下、6つのヘキソミノは35種類、7つのへプトミノが108種類
8つのオクトミノは369種類あることが分かっています。
さて、このポリオミノを使った問題に「敷き詰め問題」があります。
所定のポリオミノを使って、指定された形に重ねることなく敷き詰める
という問題です。
問題 下の長方形(たて4列、よこ5列 20マス)に、テトロミノ5種類を
1つずつ使って敷き詰めることができますか?できる場合は敷き詰めた
図を描きなさい。できない場合は「できない」と答えなさい。
色々考えてみてください。答えは果たして?
それでは正解の解説です。
解説をするために、長方形のマスを市松模様に塗ります。
正方形のテトロミノは、長方形の中にどのように置いても必ず
緑と黒が2マスずつ入っていることになります。
長方形のテトロミノ、L字型のテトロミノ、階段型のテトロミノも同様に、
どのように置いても必ず緑と黒が2マスずつ入ります。
しかし、T字型のテトロミノは、どちらかの色が3マス、残りが1マスになります。
長方形には緑マスと黒マスが10マスずつですが、5つのペントミノに入る色マスは
合計で、緑11マス・黒9マス、もしくは緑9マス・黒11マスとなります。
そのため、絶対に敷き詰めることができないと分かりますので、
答えは「できない」です。
この市松模様を使った証明の仕方は、一筆書き問題でも使用されます。
なかなか奥が深いポリオミノの世界です。
正方形をつなげない「正六角形のテトロミノ」が何種類あるか?なんて問題も
出題されるかもしれませんよね。
それではまた次回お会いしましょう。