みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
全ての角が直角で、全ての辺の長さが等しい図形は何でしょう?
それは「正方形」です。
その正方形を用いた問題を1つ紹介したいと思います。
図は1つの大きな正方形を21個の小さな正方形に分けたものです。
正方形ア、イ、ウの1辺の長さはそれぞれ何㎝ですか。
それでは解説です。
まずは、図を見やすくするため正方形の辺の長さを、その正方形の中に
書きます。そして、差から分かる正方形も書き入れます(赤字)。
まずはアから。
この図形全体も正方形になっているので、上の辺の長さと右の辺の長さも
等しくなります。式にすると、
10+7+イ=8.4+4.8+ア+イ
イが左右両方に含まれていますので、17=13.2+アとなり、
ア=3.8㎝と求められます。
アの左にある小さな正方形を正方形エと呼ぶことにします。
すると、イ+エ=7、イ-エ=3.8 となり、和差算からイとエが求められます。
イは、(7+3.8)÷2=5.4㎝ エは1.6㎝です。
あとは正方形の1辺の長さをどんどん求め、ウに近づいていきます。
ウの上にある小さな正方形の1辺は、3.4-3=0.4㎝
したがって、0.4+3.4+1.2-3.6=1.4より、ウ=1.4㎝と求まります。
このような正方形分割の問題は他の学校でも出題されています。
開成中は2017年に長方形を正方形に分割し、辺の中点を結んだ図形に
ついて考えさせる問題を出題しています。
この正方形分割の問題自体は昔から存在しており、「ルジンの問題」と
呼ばれています。
「任意の正方形を2個以上の全て異なる大きさ(辺は整数)の正方形に分割できるか」
という問題です。
最初、問題を作った数学者は「解なし(できない)」としていましたが、後の研究で
1辺112㎝の正方形を21個の異なる正方形に分割することができたり、
1辺110㎝の正方形を22個の異なる正方形に分割することができたりすることが
確認されました。
この形どこかで見ましたよね。そう、高槻中の問題はルジンの問題から
作られていました。辺の長さを5で割っていますね。
算数に興味をもっていろいろ調べていくと、入試問題にも役立つという
お話しでした。
また次回よろしくお願いします。