みなさん、こんにちは。受験Dr.の亀井章三です。
今回から数回に分けて、「算数の読解力UP」について書いていきます。
算数の問題を解くには、読解→思考→計算の3ステップを要します。
思考や計算も大切ですが、入り口にあたる「読解」がきちんとできていな
ければ、当然正解にはたどりつけません。
そこで、算数の問題文の読み方をマニュアル化し、確実に次のステップ
「思考」に進めるアドバイスをしていきます。
算数の問題文に書かれている文章は、以下の4つに分けられます。
① 説明 問題の中心部分。おこった出来事や操作内容などを文章化したもの。
② 問い 普通、問題文の最後に書かれる。答えなければいけないもの。
③ 条件 「ただし」という語から始まる。解答の数値に制約を設けたり、問題文
のイレギュラーを除外するために書かれる。
④ 例示 「たとえば」という語から始まる。主に、約束記号や場合の数の問題で、
説明の部分が分かりにくいと作問者が判断した場合、誤読しないよう
補足して書かれている。
算数の問題文を読むということは、問題文をこの4つに分類するということになり
ます。具体例を使って詳しく説明します。
それでは、こちらの問題をご覧ください。
直方体の形をした池に噴水があります。池の深さは2mで、底面は1辺の長さ
が10mの正方形です。噴水は、毎時25分から20分間、池の外から引いてきた
水をふき出します。噴水に使う水の量は毎分100Lです。また、毎時27分から
10分間、池の水を外に流し出します。流し出す水の量は毎分150Lです。
たとえば、9時25分から20分間、噴水は水をふき出します。また、9時27分
から10分間、池の水を外に流し出します。これを1時間ごとにくり返します。
ある日の午前7時の水の深さは1mでした。このとき、次の問いに答えなさい。
ただし、水の蒸発は考えないものとし、噴水の水はすべて池の中に落ちるとしま
す。また、噴水の水が噴き出してから池に落ちるまでの時間も考えないものとし
ます。
(1) この日の午前8時の水の深さを求めなさい。
(2) この日の午前10時30分の水の深さを求めなさい。
(3) この日は午前11時に雨が降り始めました。雨が降っている間、水面の高さ
は毎分0.05㎜ずつ上がっていきます。午後2時35分に雨がやんだとき、
池の中の水の量は何Lであるか求めなさい。
(1)~(3)の設問部分よりも問題文のほうが長く、算数が苦手なお子様であれば
「うわ~、面倒」「難しそう」といいた感想がすぐに出そうです。
この文章を①~④に分けます。
今回は分かりやすくするため、色を変えます。
説明=青、問い=赤、条件=茶、例示=緑 です。
答えを出すのに必要ない部分は黒字のままです。
直方体の形をした池に噴水があります。池の深さは2mで、底面は1辺の長さ
が10mの正方形です。噴水は、毎時25分から20分間、池の外から引いてきた
水をふき出します。噴水に使う水の量は毎分100Lです。また、毎時27分から
10分間、池の水を外に流し出します。流し出す水の量は毎分150Lです。
たとえば、9時25分から20分間、噴水は水をふき出します。また、9時27分
から10分間、池の水を外に流し出します。これを1時間ごとにくり返します。
ある日の午前7時の水の深さは1mでした。このとき、次の問いに答えなさい。
ただし、水の蒸発は考えないものとし、噴水の水はすべて池の中に落ちるとしま
す。また、噴水の水が噴き出してから池に落ちるまでの時間も考えないものとし
ます。
(1) この日の午前8時の水の深さを求めなさい。
(2) この日の午前10時30分の水の深さを求めなさい。
(3) この日は午前11時に雨が降り始めました。雨が降っている間、水面の高さ
は毎分0.05㎜ずつ上がっていきます。午後2時35分に雨がやんだとき、
池の中の水の量は何Lであるか求めなさい。
このようになります。
ここからの作業としては、
<1> 説明の部分を、式や図にまとめる。
<2> 例示を読み、説明部分の解釈が間違っていないことを確認する。
<3> 条件を確認する。
<4> 問いに答える。
<5> 条件が「制約」の場合、制約通りか確認する。
となります。
今回はここまで。まずは、長い問題文でも「何が書かれているか」で分類し、
優先して読むべきところを見つけることがポイントです。
次回は、わかりにくい「説明」部分の翻訳についてです。お楽しみに。