みなさん、こんにちは。受験Dr.の亀井章三です。
いよいよ東京・神奈川の中学入試の日が近づいてきました。
昔から算数の入試問題で、その年の西暦を使った問題が多く出題されます。
そこで、今回はまだ間に合う2023対策として、2023を使った出題可能性の
高い問題を説明してまいります。
【1】2023の約数についての基本情報
まず2023を素因数分解すると、2023=7×17×17となります。
これを用いると、2023の約数は1、7、17、119、289、2023の6個あることが
わかります。約数の和は、1+7+17+119+289+2023=2456です。
この約数を用いた問題として考えられるのは、既約分数の個数と連続する
整数の和の問題の2つです。
対策1 既約分数の個数問題
問題
0より大きく1より小さい、分母が2023の既約分数は何個ありますか。
また、それらの和はいくつになりますか。
解説
分母が2023の分数で約分できるものは、分子が7の倍数か17の倍数にな
ります。したがって、この問題は、1~2023のうち、7でも17でも割り切れない
数は何個ありますか、と同じことと言えます。
1~2023の中に7の倍数は、2023÷7=289個
1~2023の中に17の倍数は、2023÷17=119個
そして、両方の公倍数である119の倍数は、2023÷119=17個あるため、
7でも17でも割り切れない数の個数は、
2023-(289+119-17)=1632個です。
また、0より大きく1より小さい既約分数の和は、「個数÷2」で求められます
ので、和は1632÷2=816となります。
答え 個数:1632個 和:816
対策2 連続する整数の和で表す問題
問題
2023を連続する2個以上の整数の和で表すことを考えます。たとえば、2個の
連続する整数の和で表すと、1011+1012となり、一番小さい数は1011になり
ます。では、これ以外に2023を連続する整数の和で表したとき、一番小さい数
として考えられるものを全て求めなさい。
解説
ある整数を2個以上の連続する整数の和で表すと、
ア:連続する整数の個数(奇数) × それらの平均
イ:連続する整数の個数(偶数) × 2つの数の和(奇数)÷2
で表すことができます。
たとえば、アの場合は、30=4+5+6+7+8となります。
これは、平均が6である5個の整数の和が30となっていることを示しています。
イの場合は、30=6+7+8+9となります。
これは、6+9=7+8 のように、和が15となる2つの数の組み合わせでできて
いることを示しています。
そこで、2023を2つの数の積の形で示すと、
1×2023、7×289、17×119 の3組できます。
アの場合、個数のほうが平均の数より小さくなりますので、
・平均2023の1個の数
・平均289の7個の数
・平均119の17個の数
が考えられます。
平均が2023の場合は2個以上という条件を満たさないので除きます。
平均が289の場合、286から292までの7個の和となり、最小の数は286です。
平均が119の場合、111から127までの17個の和となり、最小の数は111です。
イの場合、和のほうが個数÷2の答えより大きいので、
・和が2023となる数が1組
・和が289となる数が7組
・和が119となる数が17組
が考えられます。
和が2023の場合は、問題文で例としてあげられているので除きます。
和が289の場合、144+145から138+151までの7組の和となり、
最小の数は138です。
和が119の場合、59+60から43+76までの17組の和となり、
最小の数は43です。
以上から、最小の数として考えられるもので1011以外のものは、
小さいほうから、43、111、138、286と求められます。
答え 43、111、138、286
他にもまだまだ問題は考えられますが、この2題は出題可能性が高いので、
ぜひ解き方と答えをおぼえておいてください。
なお、2023に一番近い三角数は2016(1から63までの和)で、2023に一番
近い平方数は2025=45×45です。これも使えますのでおぼえておきましょう。
最後に受験生の皆さんへ。
ゴールはもうすぐです。最後まで気を抜かず全力で頑張ってください。
全力で頑張った先に必ず「合格」は待っています。
ぜひ「合格」をその手につかみ取ってください。