みなさん、こんにちは。受験Dr.の亀井章三です。
今回は分数を単位分数の和に分けるという問題についてです。
数の性質を用いて分数の大小を調べていきます。あまり聞いたことがない
テーマかもしれませんが、受験算数で昔から出題されている有名問題です。
1 分数の大小を比べるには
さて、、どちらが大きいでしょうか。
一般的には、分母を同じ数にそろえ、分子の大小で判断するという方法を取ります。
ここでの同じ数は、44と46の最小公倍数、もしくは44と46の積が良いでしょう。
それでも大きな数となり計算が大変です。他に比べる方法はないでしょうか?
分数の大小を比べる方法は大きく分けると3つの方法があります。
<1>分子÷分母の計算をし、小数で比べる
<2>分母を同じ数にそろえて、分子で比べる
<3>分子を同じ数にそろえて、分母で比べる
そして、<2><3>の「同じ数」は、
1 比べる分母の最小公倍数
2 比べる分母の積
3 整数「1」
の3パターンあります。これらの組み合わせの中から、計算しやすいものを
選択するのが良いでしょう。
例にあげた、であれば<1>が比較的計算量が少なく解きやすいでしょう。
35÷44=0.7954…、38÷46=0.8260… となり、 の方が大きい分数だと求まります。
2 単位分数の和にする方法(1)
ここからが本題です。
問題 を異なる分数の和の式で表すと、になります。
では、を同じように異なる分数の和の式で表すと、どのような式に
なりますか。
単位分数とは、分母が整数で分子が1である分数のことを指します。
のような分数です。
まず、一つ目の解き方は、分母の大小を比べる方法です。
とします。
の大小を考えると、のほうが大きいことが明らかです。
そこで、の分母と分子ともに4で割り、無理やり単位分数の形にします。
2つの単位分数の和でおさまらなければ、3つ、4つと終わるまで計算していく
ことになります。
この方法は、計算していくことで求められますので使いやすいと思います。
3 単位分数の和にする方法(2)
二つ目の解き方は、等しく分けて配っていくイメージを使う方法です。
4 7 という分数は、4つのもの(ピザを想像してください)を7人で等しく分けた
時の分量になります。単位分数の和にするということは、「ピザを切り分けた
ときに1人1切れずつもらう」ということです。
4枚の大きなピザのままでは7人に配れませんので、これらを全て何等分か
します。そのとき、人数以上、人数×2未満の数にしなければいけません。
人数×2以上になると1人に2切れ以上配れることになり、異なる単位分数
という条件に合わなくなるからです。
4×2=8 OK
4×3=12 OK
4×4=16 ダメ
ということで2等分か3等分になります。
2等分したとき、枚のピザを7人に配ることができ、枚が1切れ残ります。
その結果、1人あたりに配られたピザは、になります。
途中枚のピザの所で3等分か4等分の2通り選べましたので、
複数答えが考えられます。
この方法は、ルールが分かりやすく、絵を描いて考えることができるのが良い
ところです。
ややこしく見える問題でも、作業のルールを明確にすることで正解までたどり
つけることができます。この単位分数の和の問題以外にも使うことができます
ので、ぜひおぼえておきましょう。
次回もよろしくお願いします。