みなさん、こんにちは。受験Dr.の亀井章三です。
スポーツ、芸術、政治などどの分野においても、素晴らしい功績を残した人は自分の考え方や成功体験を言葉にして表現しています。それらは名言・格言と呼ばれ、困難に直面した際にそれを乗り越えるヒントとしてとても役立っています。
算数の勉強という世界においても、この名言・格言は学ぶものが多いのです。
実際に私が好み、授業においてもよく話す「名言・格言」を今回はご紹介します。基本的にスポーツ選手(監督)の言葉が多いのですが、それらも元々は古代中国や江戸時代の名言・格言であることがよくあります。
(1)勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。
プロ野球選手・野村克也さんの言葉として有名ですが、元々は江戸時代の平戸藩
藩主、松浦静山が、剣術書「剣談」の中に記した文章だそうです。
この「不思議の勝ち」というのは、偶然勝ってしまったというよりも、道理に合った技を
出していれば、本人がそれと自覚していなくても勝ってしまう、という意味です。
そして、「不思議の負けなし」というのは、負けるときは道理に合っていない技を出して
いたためであり、反省すれば必ず負けた理由が分かる、なんら不思議なものではない
という意味です。
これを算数に当てはめると、
・計算のルール、問題の解法ルール、やるべき作業を適切に行っていれば、当たり前
に問題を解くことができる。
・解けたはずなのに間違えてしまうのは、ルールに合っていないこと(筆算を書かず暗算に頼ってしまう、速さの図を描かない、問題文をよく読まないなど)をしていたため、当然起こったものである。
となるでしょう。
だから、数字の書き方、筆算の書き方、式を書くこと、見直しをすることなど、正解する
ための道理を自然に行えば、難しい問題が解けることはなんら「不思議」ではなくなるのです。算数の成績が良い人は当たり前のことを当たり前にしているのです。
(2)The time to repair the roof is when the sun is shining.
(屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る)
これは、35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディの言葉です。屋根の一部が壊れてしまったとき、「台風が来たらどうしよう」と不安になるかもしれません。しかし、悩んでいても何も解決はしません。悪いシナリオが想定されるのであれば、それに備えて適切に対応・準備をするほうが良い、という意味です。
この言葉はテストの成績が出た時によく使います。頑張ったのに思い通りの成績が出なかった。どうして?もうダメなの?志望校はあきらめたほうが良いの?ついこのような不安な気持ちが押し寄せてきます。しかし、悩んでるだけでは解決しません。なぜ間違えたのかの原因分析と対策を練ることこそが唯一の解決策なのです。反省は構いませんが後悔はプラスにならないのです。計算ミスで失点したのであれば、字の書き方・計算場所の取り方・見直しの仕方などを改善すると良いのです。また、鉄は熱いうちに打て、のように結果が出た直後に改善策を考えることがいろいろとアイデアが出てきます。
困難に遭遇したとき一番邪魔になるのは感情です。体を健康に保つのに食べ物が必要なように、心を健康に保つには理性が必要。困難に遭遇したときは感情を排除して、今自分がすべきことを冷静に分析することが大切です。
いかがでしたか。名言には学ぶことが多く、困ったときのヒントとなります。ぜひこれらの言葉を参考にしてみてください。
それでは、また次回お会いしましょう。