みなさん、こんにちは。受験Dr.の亀井章三です。
今回は、難しいけど面白い算数の問題を出題することが多い、駒場東邦中の
対策についてのお話です。
駒場東邦中では、ある条件を満たす数を「〇〇数」と表現し、その数について考える
問題が出題されることがあります。
過去の出題例としては、
平成27年 おもしろい整数=2015のように各位の数字がすべて異なる整数
平成20年 よい数=2008にある整数をかけたとき、積に2と8が1回ずつ現れ、
2が常に8より左にあり、かつ2と8の間にある0の個数がちょうど2個
この「数問題」をどのように攻略すれば良いか、今年1月に行われた、日本数学
オリンピック予選問題の「素敵な数」を使って説明します。
2024年 日本数学オリンピック予選問題
問題 どの桁に現れる数字も素数であるような正の整数を素敵な数とよぶ。
3桁の正の整数Nであって、N+2024とN-34がともに素敵な数であるもの
はちょうど2つある。このようなNをすべて求めよ。
1 素敵な数の条件を整理する
各桁に現れる数字は、0~9の10種類です。このうち素数であるのは、
2、3、5、7の4種類です。
つまり、2、3、5、7のいずれかのみで表される整数が素敵な数となります。
同じ素数を複数回使ってはいけない、と書かれていませんので、使っても良いも
のと判断します。
2 わかりやすい場所から考える
まずは一の位から考えます。調べる個数は0~9の10種類しかありませんので、そんなに大変ではありません。表にすると、
となり、N+2024 、N-34のどちらの一の位も素数になるのは、1と9になります。
3 場合分けをしてさらに調べていく
①一の位が1のとき、
十の位が0~9のときにN+2024、N-34の十の位がいくつになるのかを
調べて表にします。
調べた結果、十の位が1の時だけどちらの十の位も素数になります。
ここまで来たら同じ作業の繰り返しです。
百の位が1~9のときにN+2024、N-34の百のくらいがいくつになるのかを
調べて表にします。なお、千の位はNが3桁の整数であれば、N+2024の千
の位は2か3になるため必ず素数になります。
調べた結果、百の位が3の時だけどちらの百の位も素数になります。
よって、2つの答えのうち1つは「311」であると分かりました。
一の位が9の場合も同様に作業してみましょう。
十の位は「0」になります。
百の位は「3」になります。
よって、もう1つの答えは「309」であることが分かりました。
答えは、309と311になります。
駒場東邦中の問題でも、このような「条件整理」→「場合分け」という流れで
解きます。また、表を用いた調べ上げも使います。調べることを面倒に思わず
一つひとつ作業していくことで、着実に正解に近づいていると感じることが大切
です。
本日はここまで。次回もよろしくお願いします。