みなさん、こんにちは。受験Dr.の亀井章三です。
今回は、「反射」で算数の力を伸ばす方法についてです。
反射と言っても図形の反射ではなく、反射神経・脊髄反射の反射です。
算数の問題を簡単に解く人は、「こう来たらこう対応する」というふうに、
解法の選択が反射的に行われているのです。問題文を読んでどうしようか
と考えるのではなく、問題文を「見て」、こう書いてあればまずこうしていこう!
と判断するのです。
そこで、反射の例をいくつか説明していきます。
① 2種類出てきたら「つるかめ算」
つるかめ算と言えば、つる(2本足)とかめ(4本足)が全部で10匹いて、足の
本数の合計が28本のような、2種類の物が登場する文章題です。つるとかめで
なくても、50円切手と80円切手のように2種類の物を買う問題もつるかめ算です。
さらに、「速さ」でもつるかめ算が出てきます。
家から学校まで最初は分速50mの速さで歩き、途中から分速200mの速さで
走ったところ、15分かかりました。家から学校まで1500mのとき、出発してから
何分後に走り出しましたか?
これも、家から学校まで行くという一つの行動の中に、「歩く」と「走る」の2種類
登場しているので「つるかめ算」です。
他にも、売買損益や水そうの問題でも2種類の物が登場する問題があります
ので、素早く「つるかめ算」と判断して解き進めましょう。
②2回以上やりとりしていたら「流れ図」
兄が弟に1000円あげる、容器Aから容器Bに500ml水を移す。
これらはすべて「やりとり」になります。そして、やりとりが2回以上行われる場合は
「流れ図」と呼ばれる図を描いて、状況を整理したほうが解きやすくなります。
流れ図の描き方はいろいろありますが、算数の問題用紙の構成から考えると、
横書きの図を描くほうが描きやすいでしょう。
特に食塩水のやりとりは、全体の重さと中に含まれる食塩の重さの2種類が
やりとりされるので、図でまとめないと解きにくいでしょう。
③水そうが出てきたらとにかく「正面から見た図」
水そうに水を入れていく、水の入った水そうにおもりを入れる、仕切りのついた
水そうに水を入れていく。これら水そうを使った問題では、斜め上から水そうを見た
「見取り図」と呼ばれる図が描かれていることがほとんどです。しかし、この図は
作業をして記録を残していくには使いづらい部分が多いです。そこで、水そうの問題
では、正面から見た「投影図」をまずは描き、そこに数値を書きこんで作業していく
ことでわかりやすくなります。
④正多角形が出てきたら「同じ長さの辺に同じ印」
角度の問題は書かれている角度に目が行ってしまいます。しかし、難しい問題
では、角度ではなく「辺」に注目しなければいけません。そこで、角度の問題で正
多角形が出てきたら、まず「同じ長さの辺に同じ印」を書きましょう。これにより、
二等辺三角形を発見することでできます。二等辺三角形は3つの内角のうち
1つの角度が分かれば残り2つの角度も求めることができるため、ヒントを増やす
ことができるわけです。
⑤展開図が出てきたら「頂点の記号を書く」
立体図形で展開図が出てくる問題では、展開図の頂点が元の立体のどの頂点
に該当するか書きましょう。元の立体の見取り図に頂点(A、B、Cなど)が書かれて
いない場合は、自分で頂点に記号を振ります。切断や平面上の最短距離を求める
問題では、この頂点記号があることで、どのような線になるのかを把握しやすくなり
ます。
今回は問題を見ただけで、最初にやるべきことを「反射」で思い出す5つの例を
示しました。もちろんこれ以外にもいろいろありますし、既に皆様も「自分だけの
反射」を持っているはずです。「反射」が増えれば、どのような問題が出ても迷うこと
が少なくなり、解答時間を短縮することができます。そして短縮した時間は、反射で
は解けない、初見の問題に充てていけば良いのです。どんどん「反射」を増やして
算数の点数を上げていきましょう。
本日はここまで。次回もよろしくお願いします。