皆さんこんにちは。
受験ドクター講師の勝山利信です。
さて、今回は算数の問題対応力UPについて第2段です!
算数の問題を解く際に沢山の知識や技術が必要ですが、身につけた力を生かすために「同じ事実を言い換える」または「とらえ方を変える」ということが求められることが多々あります。
例えば、
・Aの方がBより100円高い。⇒Bの方がAより100円安い。
・サイコロを振ったら、2の目が出た。⇒5の目の面が下になっている。
・本全体のページ数の内3割読み終えた。⇒本全体のページ数の内7割読み終えていない。
・仕入れ値の2割の利益を見込んで定価をつける。⇒仕入れ値の1.2倍を定価とする。
など、文章に直接書いてある事実を言い換えると、手を動かし始めるきっかけになることが良くあります。
それでは今回は、そんな事実の言い換えがポイントとなる得票数に関する問題についてみていきましょう!
学校によって多少の仕組みは異なりますが、学校生活の中でも委員や役員を選挙で決めるときがありますね。算数の入試問題では、条件をきちんと整理する力を見るために出題されます。
100人の生徒が投票をして、3人の委員を選ぶ選挙を行います。A、B、C、D、Eの5人の生徒が立候補したとき次の問いに答えなさい。ただし、得票数の多い順に上位3人が当選することとします。
(1)Aが他の立候補者の得票数に関係なく確実に当選するには、何票以上必要ですか。
(2)途中まで開票した結果、次の表のようになりました。このとき、Bはあと何票あれば確実に当選できますか。
立候補者 |
A |
B |
C |
D |
E |
得票数(票) |
29 |
14 |
11 |
9 |
5 |
さて、まずは(1)についてですが、ここで今回のテーマである「事実の言い換え」を早速使います!
・上位3人が当選する。⇒4位以下は当選しない。
3位まで当選する選挙で、4位というのは一番悔しい順位ですね・・・
4位になってしまう場合について考えてみます。
100÷4=25より25票では4人が同数で並んでしまう可能性があります。
そこで、もう1票あれば4位以下にはならないわけですから、
25+1=26より26票あれば、3位になることはあっても確実に当選することができます。
続いて(2)の途中経過から考える場合ですが、やはり「4位以下になりたくない」ということは変わりません!
まずは状況を分かりやすくするためにグラフにしてみましょう。
(1)よりAの当選は確定しています(1位が確定しているわけではありません)。
100-(29+14+11+9+5)=32より残りの票は32票。
Bは残り2名の枠に入りたいので現在2位のB、3位のC、4位のDの3人の争いと考えれば、
(14+11+9+32)÷3=22より22票でB、C、Dの3名の得票数が並ぶ可能性があります。
ということは、22+1=23より23票獲得すれば「4位以下にはならない」ことになります。
よってBは、23-14=9より、あと9票あれば確実に当選できます。
いかがだったでしょうか?問題集の解答解説でも式だけがならぶことが多く、なぜそのような計算になるのか、見ただけでは読み取れないときがあります。そのときは、事実の言い換えをしてみると、話がつながることが多いので、是非参考にしてみてください!
目指せ、対応力UP!
それでは、またお会いしましょう!