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投稿日:2021年08月20日

テーマ: 算数

調査力up!~すっきり解いて時間も短縮~

皆さんこんにちは。
受験ドクター講師の勝山利信です。

さて、今回は調査力の鍛え方についてお話しします。
算数では特殊算を含む文章題や平面図形・立体図形がメインと思われがちですが、「条件に合うものを調べて探す」ことを問われることもあり、受験者の間で点数の差がつく要因にもなります。特殊算や図形と比べると型にはめて解くことが難しく、解き進め方が上手なお子さんとそうでないお子さんで結論が同じでも、解くのにかかる時間に大きな差がつくからです。是非、工夫をして的確に探すという姿勢を鍛えましょう!

では、かかる時間をなるべく短くするために何が必要かについて例題を使いながら見ていきましょう。

問題1
1個50円の商品Aと1個80円の商品Bをそれぞれいくつか買ったところ、代金は合わせて1420円でした。商品Aと商品Bを何個ずつ買ったか、考えられる個数の組み合わせをすべて答えなさい。ただし、商品Aも商品Bも1個以上は買うものとします。

買う個数の合計が定まっている場合は、つるかめ算で処理する問題となります。
今回は買う個数の合計が定まっていないため、いくつかの組み合わせが考えられます。

さてどのように考えればすっきりとすべての組み合わせを見つけることができるでしょうか?
整数のかけ算・わり算ができれば答えを出すことはできます。

1420÷80=17・・・60より商品Bは最大でも17個までしか買えないので、残りのお金で商品Aを買ったときに金額にあまりが出ない組み合わせを順に探していきましょう。
表にまとめると次のようになります。
2021_0820_blog1

商品Bを買うことのできる最大値から順に調べていったので、抜けることなく答えが3組あることが分かりました。ただし、条件の数値が大きくなると、調べるための作業量がそれにともなって増えてしまいます。

ここで注目したいのが、答えとして現れた3組の数値がどのように変化しているかです!
2021_0820_blog2

商品Bが5個減ると商品Aが8個増えて条件を満たす個数の組が表れています。
これは、商品Aの8個分と商品Bの5個分の代金が等しいため起こります。
50と80の最小公倍数を使って考えることができるので、1組目が見つかってからは間を飛ばして残りの2組を見つけることができ、作業量を大幅に減らすことができます!

では、これを踏まえて次の問題にチャレンジしてみましょう。

問題2
1個50円の商品Aと1個80円の商品Bと1個120円の商品Cをそれぞれいくつか買ったところ、代金は合わせて960円でした。商品Aと商品Bと商品Cを何個ずつ買ったか、考えられる個数の組み合わせをすべて答えなさい。ただし、いずれの商品も1個以上は買うものとします。

商品が1種類増えましたが地道に条件を満たす組み合わせを探すことはできます。
しかし、1つの商品の個数を決めても、残りの2つの商品の組み合わせも複数パターン考えられるので、抜けなく最後まで探しきるには注意が必要です。

それでは少しでも作業量を減らし、的確に調べるためにはどうしたら良いでしょうか?
それぞれの買う個数をそれぞれA個、B個、C個とし式で表すと次のようになります。
2021_0820_blog3

この式をたよりに探し始めても良いのですが、ここで並んでいる数の性質に注目してみましょう!
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8、12、96は4の倍数であり、唯一5のみ4の倍数ではありません。
この場合、Aが4の倍数でなければ和は4の倍数にならないので、Aは4,8,12,16のいずれかになります。

場合に分けて調べていくと次の表のような結果になります。
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商品Bや商品Cが0個になる場合は含まないので、答えは6組見つかります。
数の性質を利用することで、作業量を減らし順番に抜けなく探すことができました。

問題文で与えられた条件を満たすものをただただ探しても答えは出ますが、作業量を減らす工夫をすると、
①計画的に調べることで、見つけそびれてしまうことがなくなる
②作業時間が減るので、テストでは他の問題にあてる時間が増える
という利点があります。

低学年のときに学習した探し方を高学年になっても使い続けてしまうお子さんも多いですが、自分の持っている知識が増えるとともに、是非工夫の仕方を学んでいきましょう!

目指せ調査力UP!
それでは、またお会いしましょう!

算数ドクター