皆さんこんにちは。
受験ドクター講師の勝山利信です。
さて今回は、前回に引き続き調査力の鍛え方についてお話しします。
9月に入り6年生のお子様の多くが受験予定の学校に向けての学習として過去問を使用し始める時期になりました。実際に解き進めていくと、数の性質や規則性の問題でその受験年度の西暦が使われている問題に出会うことがあるでしょう。ある程度大きな手ごろな数値として使われることが多いので、自身が受験する年度の西暦はどのような性質を持っている整数なのか事前にチェックしておきましょう!
昨年の受験生は2021年度入試だったので、素因数分解すると2021=43×47と2種類の素数が1つずつというつくりの数であることは多くのお子さんが事前に知った上で受験を迎えたと思います。実際に2021自体について問う問題や同じような仕組みになっている数について出題した学校もありました。
では、2022はどのような数でしょうか。実際に連除法でつくりを見てみますと・・・
偶数ですので2で割れることや、1+0+1+1=3となるので1011は3の倍数であることもすぐに判断できます。問題は次に出てくる337です。18×18=324、19×19=361なので、19以下の素数で割り切れるか調べることになりますが、実際調べてみると337は素数であることが分かります。これを入試日当日に出題されてその場で調べることになると時間のロスが大きいので、今年度の受験生は2022=2×3×337と素因数分解できることを押さえておきましょう。縁起が良く場を盛り上げることに使われる「三三七拍子」というものがあるので自分のことを応援してくれているんだなぁと思い覚えてしまいましょう!
2022が3種類の素数を1つずつかけた数というつくりであることが分かったところで、想定される問題ですが数の性質に関する問題で良くテーマになるのが約数の個数についてです。さて、2022は何個の約数を持っている数なのでしょうか?
かけ算結果が2022になる組み合わせを順番に考えると、1×2022、2×1011、3×674、6×337と書き出せるので、2022は約数を8個持っている数といえます。また、素因数分解したときに2は1個あるので、「使わない=0個」という選択肢も含めて使う個数の選び方が2択となります。3と337についても同じことがいえるので、場合の数で学習する積の法則を使い、以下のように考えると約数の個数を計算することができます。
では、2022と同じように約数を8個持っている数は他にどのような数があるでしょうか?
例えば、想定される問題として、
「2022と約数の個数が同じ整数の中で、5番目に小さい数を答えなさい。」
のように、問われる可能性があります。実際に調べてみましょう。
まず、2022と同じようなつくりになっていると考え、3種類の素数が1つずつ使われている数について考えます。A、B、Cを異なる3つの素数を表しているとすると、A×B×C型になっている数は、2022と同様に8個の約数を持っていると考えることができます。小さい順に5つ並べてみますと、
では解答は78で良いのか?事前にこのような調査をする経験が無いと結論を焦ってしまいがちですが、もう一度問題の内容を確認してみましょう。2022と同じく約数を8個持っている整数の中で5番目に小さい数を探すことが目的です。ここで注意しなければならないのが、
「A×B×C型の整数⇒約数を8個持つ整数」とは言えますが、
「約数を8個持つ整数⇒A×B×C型の整数」とは言い切れないことです!
他にどのようなつくりになっていると約数の個数は8個になるのでしょうか?
1種類の素数で考えた場合は、同じ素数を7つかけた数があてはまります。
と、最も小さいものが128なので、今回の問題には影響しません。
2種類の素数で考えた場合は、2×4=8より、A×A×A×B型の整数は約数を8個持つ数となります。
78より小さい数がまだまだありました!今まで出てきた数の中で5番目に小さい数は54ということになります。
条件に基づいて調べる要素を含む問題については、試験時間中に調べ方を考えたり作業したりする時間をできる限り短くできるように準備をして取り組みましょう!また、準備をしても時間がかかってしまうこともあるので、他の問題を解くための時間が削られ過ぎてしまうと判断したときは、むやみに手を出さないことも、模試や入試で点数を安定させるためには必要です。
目指せ調査力UP!
それでは、またお会いしましょう!