皆さんこんにちは。
受験ドクター講師の勝山利信です。
以前、2022の数の性質についてお話ししましたが、今回は別の出題パターンについて見てみましょう。
算数の入試問題では手ごろな大きさの4桁の数値として西暦が用いられることが多く、数の性質や規則性、場合の数などの問題で良く顔を出します。
倍数や約数の学習をしたことがある人は次のような問題を見たことがあるでしょう。
1×2×3×…×30と、1から30までの整数をかけた積は、一の位から0が何個並んでいますか。
典型的な問題で、順に調べることになり機械的に解くこともできますが、しっかりと理解していないと、規模が大きくなったときに解法の再現が正確にはできなくなってしまいます。まずは、この範囲でなぜそのような調べ方をするのか、理解を深めておきましょう。
整数の積で、一の位に0が1個並ぶのは、10倍されたときです。もともと0が並んでいる、10や20をかけたときに0の個数が増えることはイメージしやすいと思います。他にはどのようなときに0の個数がふえるでしょうか?
10=2×5なので、5の倍数をかけたときにそれと組になる2があれば新しい10が作られ、積の0の個数が増えます。1から順にかけていくと、偶数は2を含む数なので少なくとも15個は含んでいます。4の倍数や8の倍数もあるので、問われている内容によっては、2の個数も算出しましょう。今回は5の方が少ないので、そちらの個数を数えます。
もともと10の倍数である数も含めて、5の倍数が何個あるか数えてみましょう。
30÷5=6より、5の倍数は6個あることが分かります。これと、2をかけて10ができるので、積の一の位に0が並んでいきます。ただし、5×5=25より、25は5を2個含んでいる数なので、25の倍数の個数を考えると、30÷25=1…5より、もう1個の5が隠れていることが分かります。
よって、6+1=7より、7個の0が一の位から並んでいることになります。
どのように数えるのかが分かったところで、数字の規模を大きくしてみましょう!
1×2×3×…×2022と、1から2022までの整数をかけた積は、一の位から0が何個並んでいますか。
調べる範囲が大きくなりましたが、先ほどと同じように調べてみましょう。
2022÷5=404…2
2022÷25=80…22
ここまでで、404+80=484より484個の5が含まれていることが分かります。
表面上の理解で止まっていると、結論が出たように思ってしまうかもしれません。
25の倍数の個数を調べた理由は5を2個含んでいる数だからでしたね。
ということは、3個含んでいる数やそれ以上の個数を含んでいる数についても、調べる範囲が広いときは考えなくてはなりません。順に確認してみると、
3個 5×5×5=125
4個 5×5×5×5=625
5個 5×5×5×5×5=3125
ということで、5を4個含んでいる625の倍数が何個あるかまでは数える必要があることが分かります。
2022÷125=16…22
2022÷625=3…147
よって、404+80+16+3=503より503個の5が積に含まれているので、一の位から0が503個並んでいることが調べられました!
ここでもう一工夫!!
何が起こっているのかを十分に理解したうえで、作業を簡単にしてみましょう。
5の倍数の内、5個に1個のペースで25の倍数が出てきます。また、25の倍数の内、5個に1個のペースで125の倍数が出てきます。これがくり返されるので、一つ一つ調べていたことをまとめると、次のように連除法で表すことができます。
この方法だと、素早く作業が進み、調べそびれてしまうことを防ぐこともできますね!
問題ごとに的確な調べ方は様々ありますが、なぜそのように調べるのか理解を深めてトレーニングするように心がけましょう。
目指せ調査力UP!
それでは、またお会いしましょう!