みなさん、こんにちは。
受験ドクター算数・理科科の川上と申します。
本日はタイトルの通り、余りに関する問題について触れたいと思います。
一口に「余りに関する問題」と言っても沢山ありますが、「本日は割り算のあまりの積の利用」をテーマに話を進めていきます。
まずは例題です。
【例題】
1001を6で割った余りを求めなさい。
【解説】
もちろんそのまま計算しても構いませんが、せっかくですので工夫して解き進めていきましょう。
1001=7×11×13
と素因数分解できます。
7、11、13をそれぞれ6で割ってみます。
7÷6=1余り1
11÷6=1余り5
13÷6=2余り1
です。
答えはそれぞれの余りを掛け合わせた、1×5×1=5となります。
この考え方が破壊力抜群で、特に灘中入試において必須と言える考え方です。
【問題】
30を8個かけてできる数30×30×30×30×30×30×30×30の約数のうち、4で割ると1余るものは全部で何個ありますか。(2018 灘中 1日目 抜粋)
【解説】
30=2×3×5ですので、30を8回掛け合わせた数は、2を8回掛け合わせた数と、3を8回掛け合わせた数と、5を8回掛け合わせた数の積となります。
さて、約数の個数についての問題でも学習したかもしれませんが、
Aがどんな数字であろうとなります。
余りを1にするためには、それぞれの余りの積を1にする必要があります。
よって、1×5×9=45個が答えとなります。
2019年度入試においても、類似の問題が出題されました。
【問題】A=377×377×377×377×377×377とするとき、Aの約数の中で14で割ると1余るものは、1を含めて何個ありますか。また、Aの約数の中で15で割ると1余るものは、1を含めて全部で何個ありますか。(2019 灘中 1日目)
【解説】
377=13×29
と、素因数分解できます。
よって
答えは4×7=28となります。
15で割ると1余る数についても同様に考えれば簡単に解くことができます。
是非チャレンジしてみてください。
ちなみに、本日の内容は数学で「合同式」と呼ばれる等式の考え方となります。
難しい内容でしたが、使いこなせるよう練習してみてください。
それでは、今回はこれで失礼します。
受験ドクター 川上亮