みなさん、こんにちは。
受験Dr.算数・理科科の川上と申します。
今回はタイトルにもある通り、連続数の積に関する問題について解法をまとめておきたいと思います。
【問題】A=1×2×3×…×30について、以下の問いに答えなさい。
Aを2で何回も割っていくとき、商がはじめて整数でなくなるのは2で何回割ったときですか。
(2)Aを8で何回も割っていくとき、商がはじめて整数でなくなるのは8で何回割ったときですか。
(3)Aを6で何回も割っていくとき、商がはじめて整数でなくなるのは6で何回割ったときですか。
(4)Aは1の位から「0」が何個連続して並びますか。
【解説】
どれも基本的な問題ですので、入試前に解法を確認しておきましょう。
Aは1~30までの積となります。
30までの2の倍数はすべて2で割り切ることが出来ます。
30÷2=15
まだ終わりではありません。
2で割った結果、4の倍数はまだ2で割ることが出来ます。
4=2×2ですので、4は2を2個因数として持っているからです。
30÷2=7…2
よってまだ7回割ることができます。
まだまだ続きます。
4の倍数をさらに2で割ったものを見ると、8の倍数はまだ2で割ることが出来ます。
30÷8=3…6
よってさらに3回割ることが出来ます。
もう気付いた方も多いでしょう。16の倍数はまだ2で割ることが出来ます。
30÷16=1…14
あと1回割ることが出来ました。
よって、15+7+3+1=26回、2で割ることが出来るので、26+1=27回目に商が整数でなくなります。
これはすぐ解き方が思い浮かぶ方も多かったのではないでしょうか。
(2)(1)と同じように、30÷8=…と進めていくと失敗します。
何故なら、8の倍数ではない整数を組み合わせることで「8」を作ることが出来るからです。(例:2×4=8)
8=2×2×2より、8を作るためには2が3個必要です。
より、Aは因数として2を26個持っていますので
26÷3=8…2より、8を8個作ることが出来ます。
よって、9回目に商が整数でなくなります。
(3)これも、30÷6=…と進めると失敗してしまいます。
連続数の積の問題では、割る数字が素数でない場合、素因数分解してから考えることが必要です。
6=2×3です。Aの中に2が26個あることはわかっているので、3の個数を調べていきます。
30÷3=10
3で2回割り切れる数は9の倍数です。
30÷9=3
3で3回割り切れる数は27の倍数です。
30÷27=1
よって、10+3+1=14より、3は14個あります。
さて、Aは2を26個、3を14個持っています。
2を1個、3を1個組み合わせることで6を1個作ることが出来ます。
よって、作ることのできる6の個数は14個です。
6で何回割れるか、という問題は、3を何個持っていますかという問題なのです。
(Aの中に2の方がたくさんあることは、すぐわかるかと思います。)
はじめて商が整数でなくなるのは14+1=15回目となります。
(4)末尾に0が何個並ぶかは、Aの中に何個「10」があるかで決まります。
10も素数ではありません。
10=2×5ですね。
と同じように5の個数を調べていきましょう。
30÷5=6
30÷25=1…5
6+1=7より、Aは5を7個持っています。
もう答えはわかりましたか?
と同様に考えると、答えは7個となります。
(3)(4)は因数として少ないほうの個数がそのまま答えとなる代表例でした。
今回は比較的優しい問題の解法を紹介しましたが、直前期は基本問題の抜けが無いかチェックすることが非常に大切です。
2月1日まであとわずかです。受験生の皆様の頑張りが報われるよう、心より祈っています。
それでは、今回はこれで失礼します。
受験Dr. 川上亮