みなさん、こんにちは。
受験Dr.算数・理科科の川上と申します。
今回はタイトルにもある通り、場合の数について扱っていきます。
皆さんは、場合の数好きですか?
私は全ての単元の中で、一番嫌いです!(特に、難しい問題だと手間はかかるし、当たり前ですけど1つ漏れがあるだけで不正解だし・・・)
今回の内容を通して、基本的な考え方を参考にしていただければ幸いです。
まずは問題です。
問題1
(1)5人の生徒の中から、生徒会の会長と副会長を決める方法は何通りありますか。
(2)5人の生徒の中から2人の掃除当番を決める方法は何通りありますか。
上の2問の違い、わかりますか?
大切なのは、順番が重要かどうかです。
解説
(1)5人の生徒をA、B、C、D、Eと置きます。
たとえば、「Aが会長でBが副会長」というケースと「Bが会長でAが副会長」というケースは区別しなければいけません。
会長を決めて、副会長を決める。連続して起こることはかけ算でしたね。
よって、5×4=20通りとなります。
(2)(1)と同様の答えになりそうですが、「Aが1人目の掃除当番でBが2人目の掃除当番」というケースと「Bが1人目の掃除当番でAが1人目の掃除当番」というケースを区別する必要がありません。(掃除当番であれば、1人目でも2人目でも同じですよね?)
よって=10通りとなります。
のような問題を順列、(2)のような問題を組み合わせと言ったりしますね。
このぐらいなら楽勝!という子!とても心強いです。少し難しくしますよ?
場合の数には様々な問題がありますが、「組み合わせ」を考えてから「順列」を使う、という問題は非常に多いです。実際に見てみましょう。
問題2
1,2,3,4,5のカードが1枚ずつあります。この5枚のうち、3枚を並べて3けたの数を作ります。3の倍数になるようなカードの並べ替え方は何通りありますか。
解説
まずは順番を気にせず、使用するカードの和が3の倍数になるように組み合わせから考えましょう。また、ここで「場合分け」という考え方が出てきます。
使用するカードが1~5なので、和は1+2+3=6から3+4+5=12までのどれかになります。ということは、以下の3パターンが考えられます。
(ⅰ)和が6
(1,2,3)
(ⅱ)和が9
(1,3,5)
(2,3,4)
(ⅲ)和が12
(3,4,5)
これだけあります。漏れの無いように注意しましょう。
さて、このあと選んだカードを並べ替えていきます。順列ですね。
たとえば(1,2,3)のカードだと・・・・
3×2×1=6通りになります。さあ、あと一歩です。
組み合わせは4通りありました。
よって、6×4=24通りとなります。
組み合わせを考えてから順列を考える、という手順、納得できますか?
もう1問いきましょう。
問題3
下の図の形を赤、青、黄、緑の4色の絵の具でぬり分けます。使わなくていい色があってもよいものとすると、全部で何通りのぬり方がありますか。
解説
色のぬり分けに関する問題です。ぬる場所が4か所ありますが、隣り合う箇所を別の色でぬることを考えると最大で4色、最小で2色必要となります。それぞれの場合について、必要に応じて、組み合わせを考えてから順列の計算を行っていきましょう。
(ⅰ)4色でぬり分ける場合
4×3×2×1=24通りです。ここは大丈夫なはず!
(ⅱ)3色でぬり分ける場合
アとエを同じ色で塗る場合と、イとウを同じ色で塗る場合の組み合わせがあります。
難しくなってきましたね・・・
それぞれ4×3×2=24通りあるので、24×2=48通りです。
(ⅲ)2色でぬり分ける場合
ここを見落とす子が多いかもしれません。
アとエを同じ色で塗り、イとウを同じ色で塗る組み合わせがあります。
4×3=12通りです。
(ⅰ)~(ⅲ)は同時には起こりません。この場合はたし算でしたね。24+48+12=84通りとなります。
ぬり分けは苦手とする子が特に多いように思います。正確な手順を踏むことができるか確認しておくとよいでしょう。
〇順列と組み合わせの違いについて
〇組み合わせを考えてから順列の計算を行う
この2つが今回のテーマでした。
次回は今回もちらっと出てきた「場合分け」の考え方について触れる予定です。
今回の内容がひとつでもお役に立てば幸いです。
それではこれで失礼します。
受験Dr. 川上亮