みなさん、こんにちは。
受験Dr.算数・理科科の川上と申します。
今回はタイトルにもある通り、場合の数の「場合分け」について扱っていきます。
突然ですが、皆さんはギョーザに何をつけて食べますか?
いろいろ選択肢がありそうですよね。
いま、手元にしょう油とラー油と酢があるとしましょう。
1 しょう油
2 しょう油+ラー油(私は圧倒的にこれです!)
3 しょう油+酢
さて、3つのパターンを用意しましたが、これは「場合分け」としてはダメなんです。
4 ラー油+酢
という私の友人がいるため、全てを網羅できていないのです・・・(他にもありそうですよね)
全てを網羅できるように、というのがポイントです。なんとなくわかって頂けましたでしょうか?
さて、問題です。
問題1
A、B、C、D、Eの5人が旅館に泊まります。泊まる部屋は4人まで泊まれる部屋と、3人まで泊まれる部屋の2部屋です。何通りの泊まり方がありますか。
解説
泊まる部屋が4人部屋と3人部屋となるため、そもそも何人ずつ泊まるかを考える必要がありそうですね。ここで「場合分け」を行います。
「場合分け」の最大のポイントは、冒頭に触れたとおり、分け方によって全てを網羅することです。
今回、5人が2部屋に泊まります。泊まり方から考えてみましょう。
この3パターンしかないですよね?
これで全てを網羅できたわけです。
ここから先はそれぞれが何通りあるか調べていきましょう。
(ⅰ)(4人部屋、3人部屋)=(4人、1人)のとき
3人部屋に泊まる1人が決まれば、自動的に4人部屋に泊まる人が決まります。5通りですね。
(ⅱ)(4人部屋、3人部屋)=(3人、2人)のとき
(ⅰ)と同様、3人部屋に泊まる2人が決まれば、自動的に4人部屋に泊まる人が決まります。
より、10通りです。
(ⅲ) (4人部屋、3人部屋)=(2人、3人)のとき
4人部屋に泊まる2人を決めましょう。
(ⅱ)と同様に、 より、10通りです。
(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)より、5+10+10=25通りとなります。
今度は入試問題から見てみましょう。
問題2
図1はある教室の座席表です。座席は9席あり、生徒はみな黒板を向いて座ります。前後左右の座席に並んで座らないように、座席を決めていきます。
例えば、図2のように座席に番号をつけたとき、①の座席に生徒が座るならば他の生徒は②と④に座ってはいけません。次の問いに答えなさい。【渋谷幕張 2022 2次 抜粋】
A、B、C、D、Eの5人が座るとき、座席の決め方は何通りありますか。
A、B、C、Dの4人が座るとき、座席の決め方は何通りありますか。
解説
ソーシャルディスタンスがテーマの問題・・・なんでしょうか。コロナとインフル、皆さん気を付けてくださいね。
(1)5人を座らせるとなると、(①、③、⑤、⑦、⑨)に座ってもらうしかありません。5×4×3×2×1=120通りが答えとなります。
(2)とりあえず、どこに人を配置するかで場合分けしてみましょう。(1)で座らせた(①、③、⑤、⑦、⑨)の座席から一つずつ取り除いた
(①、③、⑤、⑦)
(①、③、⑤、⑨)
(①、③、⑦、⑨)
(①、⑤、⑦、⑨)
(③、⑤、⑦、⑨)
の5パターンが考えられます。それぞれ、4×3×2×1=24通りあるので
24×5=120・・・とすると失敗です。
(②、④、⑥、⑧)の座らせ方が抜けています。
本当に全てを網羅できているか、慎重に考えましょう。
24×6=144通りが答えとなります。
今回は場合分けにおけるポイントをお伝えしました。
分け方によって全てを網羅する
普段の学習においても、意識してみてください。
今回の内容がひとつでもお役に立てば幸いです。
それではこれで失礼します。
受験Dr. 川上亮