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投稿日:2024年12月05日

テーマ: 算数

【中学受験算数】立体の共通部分を考える問題

みなさん、こんにちは。
受験Dr.算数・理科科の川上と申します。

今回はタイトルの通り、立体の共通部分を考える問題に触れていきたいと思います。難関校を中心に出題が増えており、個人的に注目している題材です。

 

問題

底辺が2㎝で高さが2㎝の二等辺三角形を底面とする、高さ2㎝の三角柱を考えます。この三角柱を以下の図のように1辺の長さが2㎝の立方体ABCD-EFGHの中に置きます。

(1)図1のように、三角柱の向きを変えて2通りの置き方をしました。これらの共通部分の立体Xの体積を答えなさい。(栄光学園中2024 一部抜粋・表現変更)

図1

 

解説

立体の共通部分を考える問題は、あらゆる立体図形の知識・解法を組み合わせて対応します。この問題は「複数回切断」の解法と共通点があります。

というのも、図1の2つの立体は立方体から三角柱を2つ切断し、取り除いた立体だからです。(下の図の赤線で表された三角柱を取り除きます)

図

さて、複数回切断では「交線の作図」がポイントでした。切断面の交線を結んでみましょう。

図

下の図のような四角すいが見えますでしょうか。

図

体積は2×2×21/3=2・2/3㎤ となります。

2問目に行きましょう。

(2)図2のように三角柱の向きを変えて2通りの置き方をしました。これらの共通部分の立体Yの体積を答えなさい。

図2

これも「交線の作図」がポイントですね。
以下の三角すいが作図できればカンペキです。

図

高さの平均を使用しましょう。
図の青の三角形を底面と見ます。

図

底面に対する高さはそれぞれ2㎝、0㎝、0㎝です。(下の図の緑色をつけたところが高さになります)

図

2×2×2×2+0+0/3=1・1/3㎤ となります。

余談ですが、立体の切断&求積において、高さの平均を使いこなせる子が毎年少ないように思います。今回のように、角出しで対応出来ない場合も想定して、解法を複数備えておくとよいですね。

さて、最後です。

(3) 図3のように三角柱の向きを変えて2通りの置き方をしました。これらの共通部分の立体Zの体積を答えなさい。

図3

さて、これも「交線の作図」です・・・が、かなり見づらいかもしれません。

以下のような四角すいが描けましたか?

図

あとは体積ですね。これも角出しは難しそうです。高さの平均で対応しましょう。
下の図の青色を付けた部分の三角形を底面と見ます。

図

高さは2㎝、1㎝、0㎝ですね。(下の図の緑色の部分です)

図

2×2÷2×0+1+2/3=2㎤ となります。

いかがでしたでしょうか。
立体の共通部分を考える問題は難問が多く、以前の私は捨て問扱いにすることが多かったです。しかし、出題が増えてきたため、そうも言っていられないなぁ・・・と考えるようになりました。

まずは土台となる「立体切断のルール」「複数回切断」「高さの平均による求積」などをおさえ、過去問等で取り組み、対策を行っておきましょう。

ご参考になる点があれば幸いです。

それでは、今回はここで失礼します。

受験Dr. 川上亮

算数ドクター