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投稿日:2022年10月24日

テーマ: 算数

3で割った余り、9で割った余り

みなさん、こんにちは。
受験ドクター算数・理科科の川上と申します。

本日は前回に引き続き、余りに関する問題について触れたいと思います。
その中でも「3で割った余り」「9で割った余り」この2点に絞って進めていきます。

まずは例題です。

【例題①】

1,2,3,4,5、の5枚のカードがあります。この5枚のカードを3枚並べて3ケタの数を作ります。3の倍数は何通り作れますか。

【解説】

3の倍数の条件は「各位の数の和が3の倍数」であることです。ですので、まずは使うカードを決め、その後並べ替えます。

和が3の倍数になるようにカードを選ぶと

和が3 → 無し
和が6 → (3,2,1)
和が9 → (5,3,1)(4,3,2)
和が12 → (5,4,3)

上記の4通りです。

それぞれ、並べ替え方が3×2×1=6通りあるので、4×6=24通りが答えとなります。

3の倍数の条件は確認できましたね。

それでは次の問題です。

【例題②】

149216を3で割った余りを求めなさい。

【解説】

そのまま計算する子と、そうでない子に分かれると思います。
そのまま計算すると
149216÷3=49378余り2ですので、答えは2となります。

はじめの例題で、3の倍数の条件は「各位の数の和が3の倍数」になることだとお伝えしました。合わせて覚えておくと便利な性質を紹介いたします。

ある数を3で割った余りは、各位の数の和を3で割った余りと一致する

つまり今回の例題では

1+4+9+2+1+6=23
23÷3=7余り2

より、答えは2となります。

少し難易度を上げましょう。

【例題③】

次の計算結果を3で割った余りを求めなさい。

124+125+126+127+128

【解説】

和を計算し、3で割るのではなく、例題②で使った性質を活用します。

124 → 1+2+4=7、7÷3=2余り1
125 → 1+2+5=8、8÷3=2余り2
126 → 1+2+6=9、9÷3=3
127 → 1+2+7=10、10÷3=3余り1
128 → 1+2+8=11、11÷3=3余り2

よって、124~128の各数の余りの和は
1+2+0+1+2=6となります。
6÷3=2余り0ですので、答えは0となります。

足し算の形になっていても、例題②で紹介した性質を利用できることがポイントです。

さて、それでは今春の入試問題を解いてみましょう。

【問題】

次の計算の結果を9で割ったときの余りを求めなさい。

1234567+2345671+3456712+4567123+5671234

(2022 開成中)

【解説】

勘のいい子であれば気づいたかもしれません。実は以下の性質が成り立ちます。

ある数を9で割った余りは、各位の数の和を9で割った余りと一致する

1+2+3+4+5+6+7=28
28÷9=3余り1ですので

1234567、2345671、3456712、4567123、5671234はどれも9で割ると1余る数です。

よって

1+1+1+1+1=5が答えとなります。

3で割ったときの余り、9で割ったときの余りに関する問題では、アンテナを張っておくとよいでしょう。

それでは、今回はこれで失礼します。

受験ドクター 川上亮

算数ドクター