こんにちは、中学受験ドクターのY. K.です。
今回はどんなテストでも小問集合の次には必ずやってくる(1)、(2)、(3)…と内容が続いていく大問についてお話していきます。
~計算・小問・(1)~
特に算数が得意ではないお子様にとって、テストで得点すべき場所は計算問題、小問集合、大問の(1)と言われています。算数のテストの問題は後ろへ行くほど難しくなっていますが、一番最後の大問であっても(1)だけは簡単であることが多いからです。また、(1)に比べて、その後に続く(2)、(3)は思考力が問われたり、時間効率が悪かったりします。
~均等配点~
また、この「計算・小問・(1)」の作戦が有効であるのは中学入試ならではかもしれません。多くの大学入試の二次試験では小問毎に配点が大きく異なるため、(1)を集めただけでは合格点に達することはできません。ですが、中学入試においてはすべての小問についてほぼ均等な配点であり、難問を避けたとしても十分に合格を勝ち取ることができます。
~(1)を○にするには~
大問の(1)を得点するにはどうすればよいのでしょうか。多くの算数の問題の流れは以下のようなイメージです。
(1)問題文の意味はわかりましたか?自分でもやってみてください。
(2)もう少し複雑なことを聞きますよ。解いているうちに何か気付いたことはありましたか?
(3)では先程の問題で気付いたことを利用してみましょう。
問題文の意味がちゃんとわかれば、(1)は○になります。
~約束記号~
上のような流れは特に数の性質・約束記号の問題でよく見られます。では、具体的な問題を見てみましょう。
2けたの整数Aに対して,
【A】の値を(十の位の数と一の位の数の和)×(十の位の数と一の位の数の差)とします。
例えば
【17】=8×6=48
【60】=6×6=36
【44】=8×0=0
となります。
このとき,次の問いに答えなさい。
(1) 【58】を求めなさい。
(2) 【A】=33となる整数Aをすべて求めなさい。
(3) 【A】が7の倍数となるような整数Aの個数を求めなさい。
ただし,0は7の倍数として考えます。
(2014 栄東中学校(A))
まさに(1)が得点源となるような問題です。このとき,気をつけて欲しいのは次の2点です。
~ルールを読む~
1つ目はルールを読んで理解することです。この問題では赤字の部分です。大半のお子様がここは読むはずです。問題はこの次です。
~「例えば」は自分で作業する~
約束記号の問題では多くの場合、「例えば」という形でルールを使った例が示されています。上記の問題では青字の部分です。ここを読み飛ばすお子様は非常に多いですが、ルールへの理解が正しいかどうか必ず確認の作業を行ってください。また、この例には問題を解くためのヒントも隠されています。
~「だって分かんないんだもん」は禁止~
(1)を落としたお子様に、「ルールは分かった?」「例は試してみた?」と聞くと、返ってきやすい答えは、「だって分かんないんだもん」です。そういったお子様には、「ルール・作業を理解していない状態では問題に進んでも解くことができない」ということを教えてあげてください。
~大問の(1)を○にするまとめ~
① テストで点がとりやすいのは計算・小問・(1)
② 問題のルールはよく読み、例は作業して確認する。
③ ルールが分かってから、問題に取り掛かる。
最後になりましたが、前もって構成が分かっているテストを受ける際には事前に作戦をたて、1つ約束事をして臨ませてください。たとえ点数が良くなかったとしても、ちゃんと作戦通りに解いてきたことをめいっぱいほめてあげてください。テストに悪いイメージを残さないことが大切です。最後までお読みいただきありがとうございます。また、次回お会いしましょう。