こんにちは、中学受験ドクターのY. K.です。
今回は前回の単位換算の覚え方をふまえて、単位の計算問題について書かせていただきます。
~入試での単位の計算~
単位換算は入試ではどのような形で出題されるのでしょうか。実際の問題を見てみましょう。
(平成24年度 慶應義塾中等部)
~単位を揃える~
まずはじめの作業は、各々の数値を答えの単位に揃えることです。答えの単位とはこの場合ではdLになります。問題によっては式中の別の単位に揃えた方が0(ゼロ)の数が少なくて済む場合もありますが、最後に答えの単位へ変換する作業が伴いますので注意力に自信があるお子様以外にはおすすめできません。
単位変換作業において小数点の移動をする際に、小数点が動いた後の線が隣の数値に重なってしまうことがあります。これを重なったままにしておくことは、前後の0(ゼロ)の数を見誤る原因となります。ですので、小数点の移動が多くなるときには当該数を問題用紙の右隅に書き写し、そこで小数点を移動させることが望ましいです。
「広い空間へ数値あるいは式を移し、そこで作業を行う」習慣は、正確に作業しミスを減らしていく上で算数全般において非常に重要です。日頃の学習から、「筆算を右端に逃がして書く」ことなどから習慣化しておく必要があります。
単位変換ができたものは、順に各々の数値の下へ書き込んでいきます。このとき、変換後のものにも必ず単位をつけます。「単位」変換の問題ですから、最後まで単位に拘る姿勢を持たなければなりません。
ここまでの作業ではじめの式は以下のようになっています。
~数値の計算~
そして答えの単位に揃えた数値を計算します。ここで最も多い間違いは、間の計算記号に関わらずすべての数値を足してしまうことです。このことへの対策は、「計算記号は見落としがちであり、最後に各々の数値をどう計算するのかに注意する」ことを事前に理解して頭に留めておくことです。
今回の場合であれば、「0.9dL」の前にある「-」には十分に注意を払う必要があります。
~答えの桁数~
最後に答えの桁数の範囲を確認します。妥当な桁数はおおよそ3桁から5桁の間というのが私の感覚です。通常の計算よりは桁数は多くなるとお考えください。桁数を小さくするために「なんとなく」小数点移動を行った受験生を正解させないためです。単位換算の問題では、「目の前の桁数に惑わされず各々の単位をしっかり暗記した上で自信を持って計算を進める」ことが大切です。ただし、計算の過程で小数点以下が0(ゼロ)になるなど、比較的単純な数値になったときには素直に手ごたえを感じてくださって構いません。
~最後にもう一問~
ここまでお読みくださってありがとうございます。最後にもう一問だけ、同じく慶應中等部から紹介させていただきます。答えと解説はまとめの後に書かせていただきましたので、是非チャレンジしてみてください。少しヒントにはなってしまいますが、暗算可能な範囲の数値です。
(平成18年度 慶應義塾中等部)
~単位の計算を○にするまとめ~
① 単位は答えに揃える
② 小数点移動は広いところで行う
③ 間の計算記号、特に引き算には注意する
④ 答えの桁数は3桁から5桁
⑤ 各々の単位の換算を覚えた上で自信を持って計算する
~最後の問題の答え合わせ~
さあ最後に答え合わせです。皆様答えは出していただけましたでしょうか。
いかがだったでしょうか。正解できていましたか?今回も最後までお読みいただきまして本当にありがとうございます。また次回こちらでお会いしましょう!