みなさんこんにちは、受験ドクターの久米です。
前回に引き続き、国語の選択肢問題の攻略法についてお話しします。
選択肢問題を解くとき、一番注目するべき個所はどこでしょうか。
答えは簡単。選択肢の一番後ろの部分です。
日本語の文章は、「○○という理由があって、△△は✕✕である」という形が基本です。
理由が先にあって、結論が後に来ます。
ですから、まずは結論を確認して、その後で細かい部分を見ると効率的です。
例題1(2020浅野 国語)
傍線部②「行くなと言われるかと思って」とありますが、田崎さんは伯母さんがどうして「行くな」と言うと思ったのですか。その理由として最も適切なものを、次のア~エの中から一つ選び、記号で答えなさい。
ア 伯母さんが大地を紹介する前に、田崎さんが一人で行くべきではないし、伯母さんは自分の意志をはっきり伝えるような性格の人だから。
イ 伯母さんと大地がうまくいっていないことを田崎さんには知られたくないし、伯母さんは細かい事情を説明せず、結論だけ言うような性格の人だから。
ウ レギュラーでない大地の姿を、田崎さんには見せたくないと伯母さんは思っているのだが、伯母さんはそれをていねいに説明せず、一言で言うような性格の人だから。
エ 大地と田崎さんが今の段階で会って、お互いが悪い印象を持つことが心配だし、伯母さんは心配したことが現実にならないようあらゆる対策を立てるような性格の人だから。
下線部に注目し、伯母さんがどんな性格の人なのかを本文から読み取れば、
一つ一つの選択肢の細かい部分の正誤をチェックするよりも速く解けます。
(正解はアです。設問の文章だけでは正解は導けませんが、ご参考までに)
例題2(2017 豊島岡)
傍線部⑪「ミイラ取りのミイラになってしまった」とありますが、ここではどのような状況をこのように述べているのですか。最も適当なものを、次のア~オの中から一つ選んで、記号で答えなさい。
ア グループの中にいても自分を保とうと思っていながら、結局そのグループと同化してしまうこと。
イ グループの中にいても自分が中心でいようと思っていながら、結局その中に取り込まれてしまうこと
ウ グループの中にいても自分の考えを主張しようと思っていながら、結局皆に合わせてしまうこと。
エ グループの中にいても周囲と距離を置こうと思っていながら、結局自分から話しかけてしまうこと。
オ グループの中にいても周囲を冷静に観察していこうと思っていながら、結局自分が観察されてしまうこと。
下線部に注目すると、アイウの3つが同じような意味になっています。
イは「自分が中心⇔グループの中に取り込まれる」が対比になっていないので除外します。
残りのアかウのどちらかが正解となるはずです。
「自分を保とう」と思っているのか、「自分の考えを主張しよう」と思っているのかを
本文に戻って探すことになります。
(正解はアです)
国語の選択肢問題では以下の2点に気をつけることが重要です。
①選択肢の後半部分に注目し、選択肢の大意をつかむこと
②残った選択肢の中で、選択肢の内容を比較対照し、違いを見つけること
それではまた。受験ドクター、久米でした。