みなさんこんにちは!
受験ドクター国語科の久米です。
国語の講師をやっていると、
「ウチの子、漢字が苦手なんです」
「何度書いても覚えられないんです」
「知っている言葉が少なくて・・・」など、
漢字やことばに関するお悩みを
お聞きすることが多くあります。
そこで今回は、
漢字力や語彙力に不安があるお子さん向けに、
効率的な漢字の練習法をお話しいたします。
漢字ができないというのは、
どういうことなのでしょうか。
一般的な小学生において、
漢字が苦手であるということは、
漢字の形と音と意味の3つが
有機的につながっていないということです。
言いかえると、形と音と意味がバラバラになっていて、
その3つを関連付けて覚えていないということなのです。
形と音と意味の3つを関連付けて覚えることが、
漢字を得意になり、語彙力を増やすことなのです。
漢字の意味や読みは完璧だけど、
漢字の形だけは書けない。
これは大人によくあるパターンです。
憂鬱や挨拶などはそういう漢字ですね。
こういう場合は、とにかく漢字の形だけ、
何度もお手本を見て書くのが、
正しい練習法だと思います。
しかし漢字が苦手な小学生は、
その段階まで到達していません。
「漢字を10回書いて覚えなさい」と指示すると、
大抵のお子さんは、
1回目だけはお手本を見て書いて、
その後はお手本を見ないで、
ノートに書いた自分の字を見て練習します。
ひどいときは間違った字が10個並ぶことさえあります。
読みはもちろん書かないですし、
意味なども書きません。
これでは、たとえ漢字の形を覚えても、
漢字の意味を覚えることにつながりませんし、
語彙力の向上につながりません。
したがって、漢字の形と音と意味を、
一度に練習するのが、
遠回りなようでいて、
一番効率的な学習法なのです。
上の写真は、私が書いた漢字練習のお手本です。
ポイントは3つあります。
①漢字の音(読み)を必ず書く。
②漢字の意味を必ず書く。
③意味ごとに熟語を書く。
漢字を機械的に何度も書き写す前に、
上のノートのような形で、
3つのポイントを押さえて
最初の練習をしましょう。
この練習を1字につき最低1回、
できれば2回やってから
漢字の問題を解くようにしてください。
それだけで、
練習をした後に記憶に残る熟語の数が
かなり増えていると思います。
この練習をするときは、
市販の漢字の参考書の中で、
漢字や熟語の意味が
同じページに載っているものを選んでください。
そうするとお子さんが
辞書を引くなどの作業をしなくても
意味を書けるようになります。
「サピ漢」や「漢字とことば」などが使いやすいです。
お子さんがこの練習に慣れるまでは、
大人が練習を見てあげたり、
練習のお手本を書いてあげる必要があります。
お子さんがペースをつかむまで、
保護者の方に頑張ってもらいたいと思います。
それではまた。
受験ドクター、久米でした。