みなさんこんにちは。受験ドクターの久米です。
今回は入試で出題される作文についてお話ししたいと思います。
入試で出題される作文は大きく3つに分けられます。
Ⓐ物語文や詩・鑑賞文を読んで、それと共通する自分の体験を述べるもの。
Ⓑ資料やグラフ、論説文を読んで、考察したり意見を述べたりするもの。
Ⓒ短いテーマについて感じたことを書くもの。
「作文」と言ったときに一番目に思いつくのはどれですか?
Ⓒのタイプを思い浮かべる人が多いのでないでしょうか。
しかし、中学受験において、Ⓒの自由作文タイプが出題されることは、それほど多くありません。
書いてもいい内容が広すぎて、一定の基準で採点することが難しいからです。
私立中学の入試においては、一番出題されるのはⒶかⒷです。
Ⓐは国語の入試問題として、Ⓑは社会や国語の入試問題としてよく出題されます。
今回はⒶのタイプの攻略法をお話しいたします。
作文を早く論理的に書くために必要なことは、型を持つことです。
文章を書いた経験が少ない小学生がただ思いつくままに書くだけでは、
根拠や具体例がなく主張だけの文章や、
同じことを何度も書いて字数を増やす内容の薄い文章になることが多いです。
小学生が自分の体験を書くときは、時系列に沿った型をなぞると書きやすいです。
①自分が体験をする前の状況を書く。
②課題文と共通する自分の体験を詳しく書く。
③体験の後にどうなったかを書く。
④体験の前と後を比べて自分の体験から感じたことを書く。
長い文章を書くのに慣れていない人は、①~④のそれぞれについて短く下書きを書くと、
ぐっと書きやすくなります。
2015年の暁星中学の問題を参考に、具体的な書き方をお話しします。
この問題の場合の「居心地の悪さ」は、「自分以外の誰かと誰かが険悪な雰囲気のとき」です。
そういう状況になったときの経験を思い出します。
パッと思いつかない場合は、家族や友達同士が嫌な雰囲気になったことがないか考えましょう。
全く思い出せない時は、作り話でも構いません。
私は以下のような下書きを書いてみました。(全部作り話ですが)
①水泳が得意な自分は、小学校3年生の時にスイミングスクールに入った。
②小学校4年生になって、記録が伸びて、選手コースに入らないかとコーチから誘われた。
選手コースを進める父と、選手コースに入ると塾の時間が無くなると反対した母がけんかをして、
家の雰囲気が悪くなった。
③母の意見が通り、選手コースには入らず、そのまま水泳を続けることになったが、
塾が忙しくなって、結局5年生の途中で水泳は止めた。
④あの時、自分が率先して、「選手コースでやっていく自信がない」と正直に言ったら、
父母が争うことはなかったのかもしれないと反省している。
体験を書くときは、字数制限に合わせて具体性を調整することが大切です。
小学生は「感じたこと」を長く書きすぎて、「起こったできごと」を短くしすぎる傾向にあります。
出来事の前→起こったとき→起こった後の状況を時系列に沿って書き、
さらに長くするときにはそれぞれの人物の様子を書くといいでしょう。
(今回の場合は父について、母について、自分について)
それではまた。受験ドクター、久米でした。