みなさんこんにちは。受験ドクターの久米です。
前回は「国語の苦手克服法① 心情記述編」と題して、
国語が好きではないお子さん向けに、
物語文の記述の書き方をお伝えしました。
今回は、論説文や説明文での読解の基本をお伝えします。
論説文と物語文の違い
そもそも、問題を解くにあたって、論説文と物語文の一番の違いは何でしょうか?
それは、視点人物の考え方が変化するかしないかです。
論説文では、筆者の主張は最初から最後まで変わりません。
物語文では、出来事により、主人公の心情が変化します。
ですから、論説文では同じ意味を持つ文章が、
表現を変えて何度も出てくることになります。
そのため、繰り返し出てくることばに注意して、
何が話題になっているのか、
筆者は結局何を言いたいのか(=筆者の主張)をつかむことが必要です。
キーワードを使った定義文を探す
国語が苦手なお子さんに、
「結局、この文章って、何が言いたいんだと思う?」と聞いても、
なかなかスムーズに答えは出てきません。
こういう時は段階を踏むことが大切です。
まずは①何度も出てくる言葉(キーワード)に印をつけて話題をつかみましょう。
次に、②キーワードを使った定義文を探します。
定義文とは、「A=Bである」という形の文であり、
論説文においての重要な部分はたいてい定義文で表されます。
定義文の中でも重要な中心文を見つけることができれば、
(たいていは一つだけではなく何個かあります)
筆者の主張をとらえることができたということです。
それができていれば、論説文で大崩れはしなくなります。
筆者の主張の探し方
次に、筆者の主張の探し方をお話しします。
論説文における筆者の主張は抽象的なものであり、
事例をまとめたものであることがほとんどです。
ですから、筆者の主張は、
例え話や具体的な事例が書いてある部分の前後にあります。
その中でも、文章全体の最初の方や最後の方にあることが多いです。
下の表をご覧ください。
論説文の一般的な構造は、上記のような形をしています。
論説文の大意をとらえることが苦手なお子さんは、
重要度が低い具体例も、重要度が高い筆者の主張も、
同じように読んでしまいます。
そうではなく、上記の表のような構成を考えて、
強弱をつけて読むことが大切です。
お子さんと一緒に論説文を読むときに
「ここは例え話だからさっさと読んで次に行こう」
「ここはキーワードを使った定義文だから線を引いておこう」
のような声掛けをして、
「まずは筆者の主張をつかむ」
「筆者の主張をつかんだあとで細かい部分読解に入る」
ことを意識させてください。
これだけでも、論説文の読解力はぐっと変わってきます。
それではまた。受験ドクター、久米でした。
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