みなさんこんにちは。受験ドクターの久米です。
今回はこれから過去問を解き始める6年生のみなさんに向け、
算数の入試問題と模試の違いについて説明します。
入試問題と模試の問題数について
算数において、入試問題と模試、どちらが問題数は多いと思いますか?
お子さんにこの質問をすると「入試問題!」と答える方が大半です。
ところが、模試の方が問題数は多いです。
各社の模試は制限時間50分、25問で150点という構成が多くなっています。
計算問題が3問程度、小問集合が10問程度、大問6つで12問程度です。
では、実際の入試問題はどうでしょう?
2021年度の開成中は制限時間60分、大問3つで12問です。
桜蔭中は50分、大問6つで16問、
女子学院中は40分、大問6つで16問、
志願者数の多い男子校の東京都市大付属中は45分、大問5つで18題、
同じく共学の東京都市大等々力中は50分、大問6つで20題です。
制限時間に比して問題数の多い女子学院中、都市大等々力中であっても、
模試よりは少なめになっています。
なぜこのような違いが起こるのでしょうか?
それは、模試と入試の性格の違いによります。
模試問題
模試は、いろいろな学校を受験するお子さんが受けるので、
分野別の偏りをなくすような出題になっています。
速さ、割合、平面図形、立体図形など、様々な分野から問題を出されます。
そうすると、自然と問題数が多くなります。
ですから、模試で高得点を取れるのは、弱点のないジェネラリストです。
基本的な問題・典型題を正確に素早く解いていき、失点をしないお子さんが有利です。
算数の模試では、スピードと正確性が重視されるということになります。
入試問題
入試は、その学校が取りたいタイプのお子さんを選別するためのものです。
偏りなく出題する必要はありません。
学校側としても、自校に入る熱意を持ったお子さん
(=過去問を研究しているお子さん)を取りたいので、
毎年同じような分野から、似たような出題をするということになります。
ですから、出題分野には偏りがあります。
立体図形の問題は全く出ていないのに場合の数の問題はたくさん出ている、
ということも学校によってはざらにあります。
ですから、入試で有利になるのは、専門分野に強いスペシャリストです。
その学校が出す出題傾向に合った学習をして、
その学校が出す問題で合格点を取れることが大切です。
問題数が模試より少ないぶん、入試問題では一問一問の難度が上がります。
短い時間で軽く解ける問題数が減るので、
じっくり取り組んで、解答を絞り出すことが必要になります。
これから6年生のみなさんは、範囲のない模試を受ける機会が増えてきます。
上で述べたように、模試の方が入試問題よりもスピードが必要になります。
入試で大切なのは、スピードではありません。
手をつけた問題を解き切る力です。
一問一問を大切に、「手をつけた問題を正解する」ことを目標に頑張ってください。
それではまた。受験ドクター、久米でした。