みなさんこんにちは。受験Dr.の久米です。
夏休みも終わりに近づき、本格的に志望校の過去問を開始する9月が近くなりました。
今回は「歴史が苦手だ」「年号がなかなか覚えられない」という6年生のために、
年号の効率的な学習方法をお話しします。
社会の個別指導の要望が多くなるのは、9月以降に集中しています。
「算数や国語は積み重ねの科目だから早いうちに手を打たないと間に合わないが、
社会は暗記科目だから集中して学習すれば何とかなる」
という考え方が浸透しているからかもしれません。
他教科に比べ指導開始時期が遅くなる生徒さんが多く、
急ピッチで苦手の克服や入試対策を行うことが多くなります。
そういう社会が苦手な小学生に歴史を教えていると、
ある一つの共通点に気がつきます。
それは、
「個々の歴史エピソードは知っているけれど、全体の流れが分かっていない」
ということです。
例を挙げましょう。
「㋐日清戦争 ㋑鹿鳴館建設 ㋒日露戦争 ㋓関税自主権の回復 を起こった順に並べなさい」
という問題があったとき、
「日清・日露戦争で国際的地位を固めた日本が不平等条約を改正した」
というストーリーを理解していれば、㋑⇒㋐⇒㋒⇒㋓の順番であることがすぐ分かります。
歴史の流れが分かっていないお子さんの場合は、
「日清戦争って何年だっけ?これは1894年だよね、鹿鳴館って何年だっけ、
あれ、覚えてない、関税自主権も覚えてない、どうしよう、えーい、もう適当でいいや!」
となってしまいます。
また、各時代の順番が分かっていないお子さんもかなりの割合に上ります。
大人からすると信じられないかもしれませんが、6年生の2学期の段階で
「鎌倉時代と室町時代の順番を逆にしている」
「古墳⇒奈良⇒飛鳥⇒平安の順番で覚えている」
お子さんもさほど珍しくありません。
以上のことをふまえて、おすすめの覚え方は以下の通りです。
①日本の歴史全体を通しての時代の順番を覚えているか確認する
②奈良時代から大正時代について、最初の年とその年に起きた出来事を覚える
③明治時代、昭和時代(戦前)の中心となるできごとを覚える
④それぞれの時代の中心となるできごとを覚える
①日本の歴史全体を通しての時代の順番を覚えているか確認する
旧石器⇒縄文⇒弥生⇒古墳⇒飛鳥⇒奈良⇒平安⇒鎌倉⇒室町
⇒(戦国)⇒安土桃山⇒江戸⇒明治⇒大正⇒昭和⇒平成⇒令和
何も見ずにこの順番でスムーズに時代を言えれば合格です。
②奈良時代から大正時代について、最初の年とその年に起きた出来事を覚える
奈良時代のはじまり⇒710年・都が平城京になる
平安時代のはじまり⇒794年・都が平安京になる
鎌倉時代のはじまり⇒1185年・源頼朝が守護・地頭をおく
室町時代のはじまり⇒1338年・足利尊氏が征夷大将軍になる
戦国時代のはじまり⇒1467年・応仁の乱が起こる
安土桃山時代のはじまり⇒1573年・足利義昭が追放されて室町幕府が滅びる
江戸時代のはじまり⇒1603年・徳川家康が征夷大将軍となる
明治時代のはじまり⇒1868年・五か条のご誓文が出される
大正時代のはじまり⇒1912年・第一次護憲運動
年号を言われたときに、それが何時代かを判別できることが目標です。
③明治時代、昭和時代(戦前)の中心となるできごとを覚える
上記の2つの時代は短い期間の間に覚えるべき出来事が多数起こっているので、
年代整序問題や年号に関係する問題の出題が他の時代より多くなっています。
まずはこの2つの時代を固めましょう。
例えば、明治時代だと以下のようになります。
戊辰戦争⇒西南戦争⇒自由民権運動の活発化⇒国会開設⇒大日本帝国憲法⇒日清戦争⇒日露戦争
明治時代全体を一気に覚えようとするのではなく、
ピックアップした中心的なできごとを覚えてから、他のできごとを肉付けしていくイメージです。
原始時代から覚えるのはおすすめしません。
歴史が苦手な小学生が時代順に覚えようとして途中で力尽きた場合、
入試の出題が少ない縄文・弥生だけ詳しいお子さんが誕生してしまいます。
それよりは、明治時代や戦前だけ詳しいお子さんの方が点数取りやすいのは自明です。
④それぞれの時代の中心となるできごとを覚える
③と同様、各時代の中心的なできごとをまず覚えて、より詳しいところにいきましょう。
江戸時代なら、徳川家康⇒秀忠⇒家光⇒綱吉⇒三大改革+田沼⇒ペリー来航、
といった形になると思います。
自分が重要だと思うできごとを選んで並べていくことで、時代の流れをつかむことができ、
丸暗記ではない学習ができるようになります。
それではまた。受験Dr.、久米でした。