みなさんこんにちは、受験Dr.の久米です。
今回は「セット学習」についてお話しいたします。
「セット学習」とは、「一つ一つバラバラに覚えるのではなく、関連するものを一気に覚えてしまう」
というやり方です。
小学生のお子さんが自分だけで間違い直しの問題をやるとき、
その問題の解き方しか考えないので似たような別の問題が解けなくなる、
という事例が多くあります。
前回のコラムでは国語の同音異義語を例に挙げて効率的な「セット学習」を説明しました。
例えば、「イギある仕事をしたい」という問題で間違えたときには
「意義⇒意味や価値、異議⇒別の意見、異義⇒別の意味」のように、
同音異義語を1セット書いていく方法です。
このやり方は他の教科の学習でも有効ですので、算数の具体例を挙げながら説明します。
算数の例を挙げます。
例題
「ある数を9で割ったら5あまり、7で割ったら3あまりました。
ある数として考えられるもっとも小さい数を書きなさい」
この問題を間違えたときにどういうふうに復習するとよいでしょうか。
この問題は「不足共通」という問題です。
本文を言いかえると、
「ある数は9の倍数から4を引いた数で、7の倍数から4を引いた数」となります。
したがって、7と9の公倍数63から4を引いた59が答えになります。
ここで学習を終わりにするのがふつうの学習です。
そうではなく、似たような他の問題を解いたり解き方を確認したりすることが
セット学習の基本の考え方です。
例題の場合は他に「あまり共通」「共通なし」というパターンがあります。
あまり共通のパターンは「ある数を9で割っても7で割っても3あまる」
共通なしのパターンは「ある数を3で割って1あまり、8で割って1あまる」
まずはこのように文章が似ている他の問題を解いてみましょう。
似ている問題を探すときにはお通いの塾のテキストを使うのがよいと思います。
SAPIXにお通いのお子さんでしたらデイリーサポート、
四谷大塚にお通いでしたら予習シリーズ、
早稲田アカデミーにお通いでしたら上位校への算数やバックアップテキストなどです。
受験Dr.が出版している「根本原理シリーズ」もおすすめです。
セット学習の次のステップは「区別」です。
「不足共通」「あまり共通」「共通なし」の問題を読んで、
どの文章がどの解き方になるのかを区別することが重要です。
区別をつけることが目的なので、最後まで解かなくても大丈夫です。
この問題はあまり共通、この問題は不足共通、この問題は共通なしなど、
問題文を見て区別をつけることが重要です。
算数の小問集合で点数が取れないお子さんの場合、
一つ一つの問題の解き方は分かっているのに、
問題の区別がついていないことが多々あります。
そういう場合、やみくもに問題を解いてもあまり意味はありません。
小問集合全体を見て、①はどの解き方で、②はどの解き方で…と聞いていき、
解き方の区別がついているのか、保護者の方が確認してあげるとよいでしょう。
それではまた。受験Dr.久米でした。