みなさんこんにちは。受験Dr.の久米です。
今回は前回・前々回に引き続き、単位の問題です。
その中の縮図計算について学習しましょう。
縮図計算は、できる人とできない人の差がつきやすい分野です。
今回は、縮図計算が苦手な人でも理解できるように、考え方の根本をお話しします。
まずは長さだけ考えればよい、簡単な例題を2つやってみましょう。
例題1
縮尺の地図上で4㎝の長さは、実際には何mですか。
解答
地図を実際の長さに戻すと大きくなりますから、25000倍になります。
4㎝を25000倍するので、4㎝×25000=100000㎝=1000m
例題2
実際の長さが400mのとき、の地図上では何㎝ですか。
解答
実際の長さを地図にすると小さくなりますから、になります。
単位を解答にそろえるためmを㎝にすると400m=40000㎝、
それをするので、
40000㎝×=1.6㎝
例題1と2から、長さの場合は、25000やを1回だけかけ算することが分かります。
次に、面積を考える例題を2つやりましょう。
例題3
の地図上で、たての長さ4㎝、横の長さ5㎝の長方形の土地があります。
実際の面積は何㎢ですか。
解答
たての長さは4㎝×25000=100000㎝=1000m=1㎞
横の長さは5㎝×25000=125000㎝=1250m=1.25㎞
実際の面積は1×1.25=1.25㎢
例題4
実際の長さがたて1000m、よこ500mの長方形の土地は、
の地図上で何㎠の面積になりますか。
解答
1000mと500mをそれぞれにします。
解答の単位にそろえるため、mをcmにします。
1000m=100000㎝なので、100000×=4㎝…地図上のたての長さ
500m=50000㎝なので、50000×=2㎝…地図上の横の長さ
地図上の面積は4㎝×2㎝=8㎠
例題3と4から、面積の場合は、25000やを2回かけ算することが分かります。
それでは、具体的な長さが出ていない面積の問題をやりましょう。
例題5
の地図上で20㎠の面積の土地は、実際の面積は何㎢ですか。
例題5では解き方を2つ紹介します。
解答①は、実際の長さにあてはめて解くやり方です。
縮図の問題が苦手だ、というお子さんはこの解き方をまず覚えましょう。
解答②は、塾のテキストや参考書に載っている一般的な解き方です。
数字がたくさん並んでいて意味が分かりにくいので、
解説でその式の意味を解説します。
解答①(たての長さと横の長さをあてはめて考える解き方)
20㎠なので、かけ算して20になるように、たての長さと横の長さを決める。
20=4×5なので、たて4㎝、横5㎝とすると、
例題3と同じように考えることができます。
たての長さは4㎝×25000=100000㎝=1000m=1㎞
横の長さは5㎝×25000=125000㎝=1250m=1.25㎞
実際の面積は1×1.25=1.25㎢
(今回は20㎠の面積を「たて4㎝、横5㎝の長方形」と考えて解きましたが、
20㎠の面積を「たて2㎝、横10㎝の長方形」と考えても、
「たて1㎝、横20㎝の長方形」と考えても、
答えは同じ1.25㎢となります)
解答②
20㎠×25000×25000÷(100×100×1000×1000)=1.25㎢
解説
地図上の面積を実際の面積にするときには、たてを25000倍、横を25000倍する必要があります
20㎠×25000×25000÷(100×100×1000×1000)=1.25㎢
上記の赤字部分は、地図上の面積から実際の面積を出しています。
次に、面積の単位を㎠から㎡に変えます。
1㎡=1ⅿ×1ⅿ=100㎝×100㎝なので、
100㎝×100㎝=1㎡となります。
20㎠×25000×25000÷(100×100×1000×1000)=1.25㎢
上記の赤字部分は、面積の単位を㎠から㎡に変えています。
次に、面積の単位を㎡から㎢に変えます。
1㎢=1㎞×1㎞=1000ⅿ×1000ⅿなので、
1000ⅿ×1000ⅿ=1㎢となります。
20㎠×25000×25000÷(100×100×1000×1000)=1.25㎢
上記の赤字部分は、面積の単位を㎡からhaに変えています。
解答②の式を分数の形で表すと、以下のようになります。
この式を約分すると答えとなる1.25㎢が出ます。
最後に、実際の入試問題をやりましょう。
例題6
の縮尺の地図で10㎠の面積の土地は、の縮尺の地図では□㎠です。
(国学院久我山2024)
の地図との地図では、の地図の方が大きいです。
25000÷10000=2.5なので、たての長さと横の長さがどちらも2.5倍になると考えます。
10×2.5×2.5=62.5㎠
この問題は合格者の正答率は男子70.3%、女子63.6%でしたが、
不合格者も含めた全体の正答率は男子43.9%、女子39.9%でした。
合否を分けた問題と言えるでしょう。
例題5の解答②のやり方を丸暗記しただけでは解けません。
しかし、面積の大きさの根本原理を理解し、図をイメージすれば簡単に解けます。
それではまた。受験Dr.久米でした。