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投稿日:2025年02月11日

テーマ: 算数

中学受験 金額支払い問題の見分け方

みなさんこんにちは、受験Dr.の久米です。
今回は算数の「セット学習」についてお話しいたします。

「セット学習」とは、「一つ一つバラバラに覚えるのではなく、関連するものを一気に覚えてしまう
というやり方です。
そうすることによって、問題の見分け方や解法の違いを習得することができます。
「似たような問題でも解法は全然違う」という問題が算数では多数あります。
前回のコラムでは算数の「わり算とあまり問題」を取り上げました。
今回は「金額支払い問題」を取り上げます。

 

例題

「100円玉が2枚、50円玉が4枚、10円玉が3枚あります。
①この硬貨を組み合わせて、ちょうど200円を払います。硬貨の組み合わせは何通りありますか。
ただし、1枚も使わない硬貨があってもよいものとします。
②この硬貨の一部、または全部を使って支払える金額の種類は全部で何通りありますか」

①と②の問題の違い、分かりますか?
①では支払う金額が200円と決まっています。
②では支払う金額が決まっていません。
支払う金額が決まっているかいないかで、この2つが区別できます。
⑴は「いもづる算」や「不定方程式」と呼ばれる問題です。
⑵は金額づくり問題で、書き出していくやり方が基本です。

⑴の解法
100円、50円、10円で200円を作る組み合わせを、
一番金額が大きい100円を先にして書き出していきます。
この条件では10円玉は無関係なので、100円玉と50円玉のみを書くことになります。
100円玉 50円玉の順に
(2枚 0枚)
(1枚 2枚)
(0枚 4枚)
以上の3通りになります。

⑵の解法
金額の小さい方から順序良く書き出していきます。
ポイントは、100円ごとに分けて、縦に並べて書くことです。
金額の合計が100×2+50×4+10×3=430円なので、430まで書き出します。

10、 20、 30、 50、 60、 70、 80、 100
110、120、130、150、160、170、180、200
210、220、230、250、260、270、280、300
310、320、330、350、360、370、380、400
410、420、430

以上の35通りとなります。

全部書き出すのが手間だと感じる場合は、規則性を見つけて式で解くことも可能です。

図

100円までは一列に8個並んでいて、それが4列あります。
したがって、8×4=32(上図の□で囲んだ部分)
これにあまりの3個をたし算して32+3=35通り

組み合わせを考えて解く方法もあります。
50円玉1枚と100円玉1枚があれば、50円、100円、150円の3通りの支払いができるので、
50円玉1枚と100円玉1枚⇒50円玉3枚と考えることができます。
この考え方で、100円玉2枚と50円玉4枚⇒50円玉8枚とすると
50円玉の使い方⇒0枚~8枚の9通り
10円玉の使い方⇒0枚~3枚の4通り
9×4=36通り
0枚と0枚の組み合わせはないので、36-1=35通り

今回のポイントは支払う金額が決まっているかいないかで解法が違うということです。
似たような問題を一緒に解くことで、問題の見分け方を学び、違った解法を習得しましょう。

最後に、似た問題を区別するために効果的な学習法を紹介します。
例題の文章に沿った問題を自分で作って、問題文を書いてみることです。
これは口頭では意味がありません。
自分で文章を書くことで、細かい表現の違いを初めて意識できるようになります。
どうしても問題の区分が出来ない、というお子さんはぜひお試しください。

それではまた。受験Dr.久米でした。

算数ドクター