みなさん、こんにちは。受験ドクターの桑田陽一です。
前回の予告通り、今回からしばらくは受験算数学習の際の「正しいフォーム」についてお話ししていきたいと思っています。
さて、今回のテーマは、「消しゴムを使うな」です…。
…
…
…
いや、さすがにちょっと言いすぎました…。
「間違いを消しゴムで消すな」くらいにしておきましょうか…。
算数の問題を解きました。
答え合わせをしてみたところ、残念ながら間違えていました。
さて、そのとき、お子さんはどのような動きをするでしょうか。
「えっ?」と思われるかもしれませんが、答えや解いた跡を消しゴムで全て消してしまう生徒さんがたくさんいます。
大人からすると、「間違いを消してはいけない」なんてことは当たり前だと思う方も多いかもしれませんが、実のところは、「間違えたということが分かったら、とりあえず消す!」ということが手癖になってる子も多いのです。
私は、間違いを消すことが癖になっている子が、その癖を完全に直せたら、それだけで偏差値5くらいは上がるんじゃないかと半ば本気で思っています。
ともかく、間違いを消しゴムで消すことには、百害あって一利無し。
消しゴムの無駄、時間の無駄、手の労力の無駄…。そして、間違えた跡には学力向上の種が一杯。
「ケアレスミスとの付き合い方」の回でもお話ししましたが、間違えた解き跡の中から、自力で具体的な間違い箇所を探しだして修正するという作業は、学力アップに大変効果的な手法です。
そんな大事な種を消してしまうとは、なんてもったいないことでしょう!
集団塾で勤務していた時代には、消そうとしている子どもたちに、
「せっかく間違えたのに消すなんて、もったいないよ」
とよく言っていましたが、中には嫌味を言われているのかと思うのでしょうか、複雑な表情になる子もいました(汗)。
逆に、ここでニヤッとしてくれる子には、成績を伸ばしていく子が多かったように思います。
とはいえ、小学生の心理として、間違えた跡は消してしまいたいという気持ちが生じることには無理もありません。
どうしても消したければ、消しゴムなんか使わずに、鉛筆で二重線を引くなり、間違えた解き跡全体に大きく×印をするなりするようにしましょう。
鉛筆でぐちゃぐちゃっと塗りつぶすように消すのはダメですよ。
受験算数の学習に充分慣れている子であれば、いっそ消せないようにボールペン使うのがいいかと思うところもあるのですが、図形問題で図に書き込んだ数値を訂正したい時など、消しゴムで消すのもやむを得ない場面もありますし、そもそもボールペンの書き味には違和感を持つ子も多いでしょうから、全ての子に対しておすすめはできません…。
何はともあれ、もし「間違いを消す」ことが癖になっているお子さんがいたら、「答え合わせの時には消しゴムをしまっておく」というルールを設けるところから始めてみてください。