皆さんこんにちは、受験ドクターの桑田陽一です。
楽しいゴールデンウィークも終わってしまいましたね。
各塾では、昨日・今日あたりから休み明けの平常授業が再開という生徒さんも多いでしょう。
4・5年生のみなさんは、受験勉強の息抜きもできたでしょうか?
今週からは、ペースを平常モードに戻して頑張っていきましょうね。
一方で、6年生はといえば、塾でゴールデンウィークの特訓授業があって、
普段の日々よりも、むしろハードなゴールデンウィークだったかもしれません。
復習の積み残しはないでしょうか?
今回は、算数の問題を復習するときに、どこに意識を向けるのが良いか?
ということについて、お話しします。
算数に限らず、授業やテスト後の復習が大切だ!とはよく言われることです。
でも、いったい算数の復習って具体的に何をすればいいんでしょうか?
自力で正解できた問題まで、全てをもう一度解き直す必要はありませんよね…。
復習のときに時間を割くべきは、自力で正解できなかった問題です。
正解できなかったと言っても、いわゆるケアレスミスのときにはどうするか。
これは、以前のブログでもお話ししました。
どこでミスをしてしまったのか、自分でミスの箇所を探しだし、
原因を確認することが大切です。
悩ましいのは、解法が分からずに解けなかった問題の復習の仕方です。
授業で解説を聞いたり、解答解説に書かれた解法を読んだりして、
その場では納得できたつもり。
ところが、時間が経って、いざ本番のテストになると解けなくなっている。
こういう悩みを抱える受験生が多いと思います。
そんな「自力では分からなかった問題」を復習するときにはどうするか?
大切なのは、
「分からなかった問題は、まずは自分で図や表を描けるようにする」
ということです。
複雑な問題の解説では、文章題を中心に、図や表が示されることが多いはずです。
線分図、面積図、速さの状況図やダイヤグラム…。
食塩水・売買損益など割合の応用単元や、比の文章題では、表の形で問題を整理することも、よくありますね。
受験算数の学習では、式や計算そのものよりも、
問題の状況を図や表に落とし込むことの方がはるかに重要です。
複雑な問題の状況を、正しく図や表に表すことができたなら、
それは、既に8割方以上解けていると言っていいでしょう。
ということは、解けなかった問題での復習では、
解説の解法を追いながら式の意味を理解しようとするよりも、
「図や表を描く」部分に目を向けて、そこを徹底的に練習するのが良いのです。
塾の授業で解けない問題があって、図や表を使って解説されたとき。
まずは何をおいても、その図や表をノートに写しましょう。
式や答えの方は、どうせ解答解説に書いてあるのだから、何なら写しきれなくても良いくらい。
まずは、図や表を「写す」という形で真似をして描いてみるのです。
きちんと、その意味を理解しようと努めながら。
このときこそ、しっかり頭を使って写します。
そして、家庭での復習は問題文だけを読んで、
授業で出てきた図表を自力で再現するところから始めましょう。
図や表が自力で描けたとしたら、もう問題のしくみは理解できているということです。
その後に続く、式や計算は「おまけ」のようなもの。
きっと、最後まで解けます!
時間に余裕があるならば、続けて類題を何題か解き、理解が本物になっているか確かめられるとより良いですね。
もし、自力で図が描ききれなかったら…。
解説の時の図を参照しながら、自力で正しく描けなかった箇所をチェックする。
そこが、まさに問題のしくみの理解が足りなかったところのはずです。
問題文からどうしてその図が描けるのか、
念入りに確認してから類題にチャレンジしましょう。
このように、「図や表を描かないと解けないかもしれないなぁ」
というくらいに複雑な問題を勉強するときには、
まさに、その描く部分の練習こそが大切。
「おまけ」にあたる、式や計算部分だけを追いかけて解き直すだけでは
問題のしくみ・根本原理の理解につながらず、
時間が経つと解けなくなる原因になりかねません。
そんな風に勉強を進めるうちに理解が深まり、
「このパターンはもう図を描かなくても大丈夫!」
と感じられるときが来るかもしれません。
その時までは、図や表を描くところこそに意識を向けて問題演習に取り組みましょう。