みなさんこんにちは、受験ドクターの桑田陽一です。
9月になりました。
6年生のみなさんは、志望校の過去問に本格的に取り組みはじめる時期になりましたね。
今回は、算数の過去問に取り組んだ後の復習の仕方についてお話しします。
良く言われることですが、この時期、得点そのものは、まだ全く気にする必要はありません。
算数は、普段取り組んでいる演習問題と、入試問題の間のレベル差が、非常に大きな科目です。
最終的に合格できる学校の過去問であっても、この時期であれば、2割や3割の出来も充分にあり得ることです。得点自体で、合格の可能性を探るのはもう少し後のタイミング。
今は、過去問演習後の復習の仕方を確立する時期なのです。
実は、復習の一歩前、自己採点のときに一手間かけることが良い復習につながります。
その、一手間とは。
自己採点をする前に、まずは、解いたときの感触をもとにして、解けたはずの問題に○、解けていない問題に×をつけてみましょう。
予想採点と言っても良いかもしれません。
その際、△は基本的につけてはいけません。
△をつけても良いことにすると、100%の自信が持てないときには、あれもこれも、とりあえず△にしたくなってきます。
解けたけど少し自信が無いというときは、ともかく解き方が分かって、答まで導いたのですから堂々と○をつけます。×は、答えが出なかったときはもちろん、きちんとした解法が見つからず、勘で答を書いたときなどにつけることになりますね。
さて、その後はもちろん、解答と照らし合わせて、本採点をします。
たいていの場合は、予想採点よりも本採点の方が悪くなります…。
が、そこで落ち込む必要はありません。
予想採点と本採点の結果の組合せで、復習のしかたを微妙に変えていくことが大切なのです。
①予想が○で実際も○の問題
これは、基本的に問題ないようですが、やや自信が無いけれども、予想を○にしていた場合には、
注意が必要です。
たまたま答があっているのではなく、きちんとした解法をとって正解にたどりついているかどうか確認するのを
忘れずに。
②予想が○で実際は×の問題
解けたつもりが間違えていたわけですから、ここは大変重要です。
まずは、なぜ×なのか、原因を確認しなくてはなりません。
解法は分かっていたけれど、途中で計算ミスなどのケアレスミスをしていた場合と、分かっていたつもりが、実は解法自体が間違っていたという場合に分かれるでしょう。
ケアレスミスだった場合には、以前のブログでもお話ししたように、どこでどのような間違いをしたのかを、自力で確認して下さい。
ケアレスミスではなく、本質的な誤りだったときにはどうするか。
まずは、自分が取った解法のどこが間違っているのかを、確認・納得するところから始めましょう。
ここを省略して、正しい解法のみを学ぶのではもったいない!
その後は、④の復習法を参考にして下さい。
③予想が×で実際は○の問題
こういうことは、あまり起こりませんが、勘で書いた答がたまたま当たっていたような場合ですね。
○だったとは言え、実際には分かっていないのだから、やはり④の復習法と同じように進めましょう。
④予想が×で実際も×の問題
まずは、解説を読むなどして、正しい解法を理解しようと務めてみる必要があります。
解説を読んで「理解できた!」と感じられたとき。
それだけで満足してしまってはいけません。
その後、必ずしておくべき作業があります。
解説を閉じ、白紙の状態からもう一度問題だけを見て解き直しましょう。
解説を読みながら式を写すのと、自分の頭の中から白紙に解いていくのでは、頭の使い方が全く異なります。解説を読んだ直後で構わないので、何も見ないで自力で一から解いたという形を取ることが定着につながります。
さて、解説を読んでも理解できないこともあるでしょう。
そんなときには、どうしたら良いでしょうか。
「えっ?」と思うかもしれませんが、もしかすると、今の時点では、その問題を無理して復習する必要はないかもしれません。
そもそも、入試問題は満点が取れるようには出来ていません。
ほとんどの受験生が解くことの出来ない難問が数問含まれているのが普通で、そういう問題は、解けなくても合否にはほとんど関係ありません。
出来なかった問題を放置するのは何だか気持ちが悪いと感じる人もいると思いますが、こだわりすぎると効率が悪くなります。
復習して理解できた問題の配点を合計して、合格者平均点をクリアーできているようであれば問題ないと考えて良いでしょう。
実際に採点する前に、解いた感触で○×の予想を立てるという一手間。
本当は、過去問に限らず、すべての演習問題で行うのが良いのですが、やや大変ですよね…。
まずは、過去問や、大きめのテストで試してみてください。
すべての受験生が、良い過去問演習ライフを送れますように!