こんにちは、受験ドクター算数科の桑田陽一です。
8月のブログをお届けします。
夏期講習も終盤戦ですね。
集団塾に通うみなさんにとっては、夏期講習を締めくくるテストが迫ってきました。この夏の勉強の成果を、みなさんがしっかりと発揮できることを願っています。
テストまでの期間、不安なところを1つでも多くつぶしていくよう、粘り強く勉強を続けていきましょう。
さて、今回のテーマは「ひらめきに頼らない図形問題~導入編」です。
図形は苦手!という受験生、きっとたくさんいますよね。
数量分野は苦手じゃないし、むしろ得意なつもり。だけど、図形の少し込み入った問題になると、「ひらめかない」ので、答えが出ない…。
そんな風に思っている人は多いでしょう。
補助線の引き方などは特に「ひらめき」が必要な感じもします。
しかし、図形問題で「ひらめき」なるものが必要なことって、実はあまり多くありません。
「こんな形ではこうする」という手筋を覚えておけば、機械的に補助線を引いたり、複雑な図形の解法が浮かんできたりすることも多いのです。
例題?
下の図形の影の部分の面積を求めなさい。
長さが与えられていないので、このままでは答えの出しようがありませんが、実際には正方形の1辺の長さが与えられていると思って下さい。
5年生以上なら、見たことのある人が多い形だと思います。
さて、この問題をどのように解きますか?
解説?
こう補助線を引いて…。
左の赤いおうぎ形の面積から、右の青い直角二等辺三角形の面積を引けば、影の部分の半分の面積が求まるので、それを2倍する!
こんな解法が浮かんだでしょうか?
おそらくテキストや授業の解説で、一番多く出てくる解法でしょう。時間をおかず、パッと頭に出てきた人は、よく練習できていますね!
もちろん、別の解法もいくつか考えられるのですが、そんな中からもう1つ紹介してみます。
解説?その2
図の中には、赤色で示した2つのおうぎ形があるので…
その2つがこのように重なっていると見てみます。おうぎ形のシールを2枚重ねて貼ったようなイメージでしょうか。求めたかった影の部分だけ、2枚のシールが重なっています。
ここで、全体から正方形1枚分だけをはがしてみると…。
このように、求めたかった影の部分だけにシールの断片が残りました!
つまり、この影の面積は、
(おうぎ形の面積)×2-(正方形の面積)
としても求められることになりますね。
こちらの解法は見たことのない人もいるでしょう。先の解法の方が慣れているし、分かりやすい!という感想でしょうか?
確かにそうかもしれません。「先の解法はダメで、本当は後の解法でやるべきなんだよ!」というお話ではありません。
ただ、後の解法には、もう少し複雑な問題にもつながる大切な視点が含まれています。
その視点とは。
「円の弧で作られた図形の面積を求める問題では、その弧を作るおうぎ形を意識すること」
…
…
…
うーん。言葉だけでは何を言っているのか分かりづらいですね。
少し長くなりそうなので、この先は次回詳しくお話ししたいと思います。
もう少し複雑な形を題材に、円やおうぎ形が組み合わされた図形の面積の問題の処理の仕方をお伝えする予定です。
目からウロコ?の次回をお楽しみに。