みなさんこんにちは。受験ドクターの桑田陽一です。
8月を迎えました。
夏期講習まっただ中ですが、受験生はそろそろ過去問への取り組みについて意識し始めたい時期です。
塾からも、早ければ講習の中休みとなるお盆の時期から志望校の過去問に取り組むよう、指示が出始めるかもしれません。
いずれにせよ、夏期講習明けには、過去問演習に取り組む計画が出来上がっているのが理想的です。
今回は、算数の過去問実施計画を立てるときに、考慮していただきたいことをお話しします。
どの学校から取り組むか
夏期の学習が一通り終了して、9月から過去問に取り組む準備が整ったとします。
さて、数ある受験予定校の中から、最初にどの学校の過去問に取り組むのが良いでしょうか?
ときおり、志望順位の低い順、いわゆる「押さえ校」から始めて、徐々にレベルを上げていこうと考える受験生を目にしますが、個人的にはあまりお勧めできません。
特に算数は、塾のテキストに掲載されている問題と、入試問題のレベルの差が大きな科目です。
9月あたりに、堅い押さえのつもりの学校の過去問に取り組んでみると思いのほか得点が伸びず、自信を過度に失ってしまうケースがあります。
ここまでの学習がある程度こなせているならば、「押さえ校」の過去問については11月あたり、少し冬の気配を感じる季節になってから実施するのが良いでしょう。
それまでは、志望順位の高い「本命校」や「実力相応校」の過去問で力を養っておきます。
難しい過去問演習を繰り返すことで入試問題への対応力をつけた後に、「押さえ校」の問題に取り組むめば、そのころには合格に充分な得点を確保できて、自信につながるでしょう。
かといって、いきなり第一志望校から始めるのも、やはり危険です。
こちらには、得点が伸びずに自信を失ってしまうから、ということ以上に重要な理由があります。
「過去問実施の型」を身につける前に第一志望校の過去問を消費してしまうのは、非常にもったいないことだからです。
過去問を実施した後には、まず採点をしますね。
9月10月の時期には、まだ合格点には達しないのが普通ですから、得点自体を必要以上に気にしてはいけません。
ただ、実施後の復習・解き直しは大変重要な作業です。
算数の過去問の復習の仕方の一例については、以前のブログで紹介していますので参考にしてください。
さて、この実施後の復習まで含めた「効果的な過去問実施の型」を身につけるには、練習が必要です。
「時間を計って過去問を解く」ということ自体は、時間を確保しさえすれば出来ますが、その後の復習の仕方の部分は、「実力相応校」レベルの入試問題2~3回分を用いて、意識して練習をするのが望ましいと思います。
そのための素材としては、第2志望以下の学校の中から、なるべくオーソドックスな出題の学校を選ぶのが良いでしょう。
オーソドックスである限り、第2志望以下でなるべく志望順位の高い学校がお勧めです。
そして、「過去問実施の型」がある程度分かってきた!という感触を得られたところで、第一志望校の過去問に取り組みはじめましょう。無計画に解き始めるよりも、より有効な志望校対策となります。
まとめ
↓
第一志望校に取り組みはじめる
↓
力がついた11月あたりに押さえ校の問題で実力向上を確認する
こんな流れが理想ですが、あくまでもこれは一般論。
当然のことながら、最適な取り組み始める時期や学校は、個々の受験生の状況によって異なってきます。
ドクターに通っている受験生は、いつから・どの学校から・どの年度から取り組むのが良いか、ぜひ担当の先生に相談して、計画作りをしてください。