みなさんこんにちは。受験ドクターの桑田です。
3月の講師ブログは、恒例となった(?)「中学受験生でも解ける!?東大入試」シリーズ、2020年版をお送りいたします。
2017年や2019年にも、その年に行われた東京大学の入試から、中学受験を目指して勉強中の小学生にも理解できそうな数学の問題を紹介しています。
今年2020年2月25日に実施された、令和初めてとなる東京大学入学試験数学の中にも、そんな問題を見つけましたので、今回のブログで紹介します。
問題 2020年東京大学(文科)第2問 大幅に改
図のように、縦にA~Dの4本の直線を、横にア~エの4本の直線を引き、計16個の交点を考えます。
(1)16個の交点から4個の点を選んだところ、A~D、ア~エの8本の直線すべての上に、少なくとも1個は選んだ点がありました。このような点の選び方は全部で何通りありますか。
(2)16個の交点のうち、まず、図に赤色で示した2個の点を選びました。残りの14個の交点から、あと3個の点を選び、合計5個の点を選んだところ、A~D、ア~エの8本の直線すべての上に、少なくとも1個は選んだ点がありました。このような点の選び方は全部で何通りありますか。
(3)16個の交点から5個の交点を選んだところ、A~D、ア~エの8本の直線すべての上に、少なくとも1個は選んだ点がありました。このような点の選び方は全部で何通りありますか。
もとの問題は数学で学ぶ数式を使って表現されているので、問題の表記は分かりやすく大幅に改めていますが、問題で聞いていることの内容は全く変わっていません。
ただ、そのままの形ではかなり難しいので、(1)(2)は誘導として私が付け加えました。
実際に出題されたのは、上の(3)の部分になります。
これでもまだまだ難しいと思いますので、(2)(3)の考え方の例を記しておきましょう。
(2)では、横に引かれたア~エの直線のうち、アの上にはすでに点が選ばれているので、残りの3点はイ・ウ・エの上に各1個ずつ選ばなくてはなりません。
さらに、縦に引かれた4本の直線のうち、A・Bにはすでに点が選ばれていますが、C・D上にはそれぞれ必ず1点以上選ぶ必要があります。
以上のことを踏まえつつ、あと3個の点を選ぶのに、
①すべてCまたはDの上から選ぶ場合
②1点はAまたはBから選び、あと2点をC・Dから1点ずつ選ぶ場合
の2つの場合に分けて考えてみると良いかもしれません。
(2)の答が得られたら、(3)は(2)の答を何倍すれば良いかと考えることで解決できます。
中学受験生にも理解可能とはいえ、そこは天下の東京大学入試、もちろん易しいわけではありません。
場合の数が得意な生徒が受験直前に挑戦するのにちょうど良いくらいのレベルで、新6年生にとっては、相当な実力があっても今は難しいと思います。
場合の数が好きなので自分で解いてみたいけど、今は良く分からないというあなたは、もう少し実力をつけた夏以降に取り組んでも充分です。
ともかく、今回はここまで。
次回、解説編を予定しています!