みなさんこんにちは。受験ドクターの桑田です。
今回は、前回の記事「中学受験生でも解ける!?東大入試数学2022年版」の解説編をお届けします。
前回紹介した問題はこちら。
図1のように、同じ大きさの正三角形をしきつめた形がずっと広がっています。
また、図2のように、中心に針を取り付けた円盤があります。円盤を3等分する方向を、図のように㋐、㋑、㋒とします。はじめ針は㋐の方向を向いていますが、回転させて㋑や㋒の方向にも向けることができるようになっています。
図1の点Oに駒を置き、コインを繰り返し投げて、以下のような操作をします。
コインの表が出たとき→図1の駒を、図2の針が向いた方向に1マスだけ動かす。
コインの裏が出たとき→図2の針を反時計回りに120度だけ動かす(図1の駒は動かさない)。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)コインを5回投げたあとに、駒が点Oにあるようなコインの表裏の出方は何通りありますか。
(2)コインを8回投げたあとに、駒が点Oにあるようなコインの表裏の出方は何通りありますか。
では、前回解説した(1)に続いて、今回は(2)を考えてみます。
駒が動くのは表が出たときだけなので、(1)と同じように、8回のうちで表が出る回数について考えましょう。
コインを投げた後、駒が点Oにいるためには、駒が全く動かないか、または㋐・㋑・㋒の方向にそれぞれ同じ回数ずつ動いていれば良いですね。
ということは、
①表が0回(駒は全く動かない)
②表が3回(㋐㋑㋒の方向に1回ずつ動く)
③表が6回(㋐㋑㋒の方向に2回ずつ動く)
このいずれかの場合です。
①は簡単ですね。表が出るのを○、裏が出るのを×で表すことにすると、「××××××××」の1通りです。
②は一番考えにくいので、先に③の場合を考えることにします。
表が6回ということは、裏は2回。この、裏が出るタイミングに注目します。
例えば、「○○○×○×○○」のように出たとしましょう。このときの駒の動き方はどうなるでしょうか?
初めの3回の○は、図2の針が㋐の方向を向いているので、㋐の方向に3回動くことになりますね。
次に×が出て、針が㋑の方向に向くので、次の○では㋑の方向に1回動きます。
そして、もう1度×が出て、針が㋒の方向に向き、最後の2回の○では㋒の方向に2回動きます。
つまり、「㋐㋐㋐×㋑×㋒㋒」のように動くことになり、これは㋐㋑㋒が2回ずつにはなっていないので、条件を満たす出方ではありません。
では、㋐㋑㋒がそれぞれ2回ずつになるためには、どのような出方であれば良いでしょうか?
×が1回出るたびに針の方向が変わることから、「㋐㋐×㋑㋑×㋒㋒」という出方しかないことが分かります。
よって、③の場合の出方は1通りです。
最後に②の表が3回(裏が5回)の場合を考えましょう。
まず、裏が5回出ることに注目します。
「 × × × × × 」
このように、×が5回出る間のどこかで○が3回出て、㋐㋑㋒の方向にそれぞれ1回ずつ動く出方を求めることになります。
いったん、
「 ○ × ○ × ○ × ○ × ○ × ○ 」
のように、×の間のスペースに○を埋めてみます。×が出るたびに針の方向が変わるので、
「 ㋐ × ㋑ × ㋒ × ㋐ × ㋑ × ㋒ 」
それぞれの位置で、○が出たときの駒の動きは、上のようになります。この6つの○の中から3つを選んで、例えば、
「 ㋐ × ㋑ × × × × ㋒ 」
のように、㋐㋑㋒が1回ずつになれば良いわけです。
「 ㋐ × ㋑ × ㋒ × ㋐ × ㋑ × ㋒ 」の中には㋐も㋑も㋒もそれぞれ2個ずつあるので、ここから㋐㋑㋒を1個ずつ選ぶ方法は2×2×2=8通りと求められます。
以上より、1+1+8=10通りが問題の答えです。
かつて、こちらの記事で紹介したように、2017年に東京大学で出題された図形問題が改題されて、2019年に神奈川の浅野中学校で出題されたことがありました。
今回の問題も、中学受験算数のネタになりそうな内容です。難関校志望の受験生は参考にしてくださいね。
今回はここまで。