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投稿日:2023年03月30日

テーマ: 算数

中学受験生でも解ける!?東大入試数学 2023年版

みなさん、こんにちは。受験Dr.の桑田陽一です。

今年は2月25~26日に、東京大学の入学試験が行われました。
25日の数学の問題をチェックしていたところ、ちょうど前回のブログで紹介した考え方を用いることのできる出題がありました!

そこで今回は、昨年の記事に続き、「中学受験生でも解ける!?東大入試数学 2023年版」と題してお送りします。
中学受験生向けに、設定を少し単純にした形で紹介しますね。

 

問題

黒玉2個、赤玉3個、白玉4個の計9個の玉をすべて横一列に並べます。
(1)玉の並べ方は全部で何通りありますか。
(2)黒玉が隣り合わないような並べ方は全部で何通りありますか。
(3)どの赤玉も隣り合わないような並べ方は全部で何通りありますか。

2023年 東京大学 文科第3問 理科第2問(改)

 

問題文の表現を含め、かなり中学受験生向けに改題したとは言え、特に(3)は難しいと思います。
でも、(1)は前回のブログを参考にすれば、きっと解けるはず!?

場合の数が好きな人は、ぜひ取り組んでみましょう!

 

解説

(1)

前回「同じものを複数並べる」として紹介した考え方がそのまま使えます。
同じものを含んでいるときには、まず「空き枠」を用意して、そこから玉の入る枠を「選ぶ」と考えるのでした。

玉は全部で9個あるので、

○○○○○○○○○

このように、まずは玉を入れる「空き枠」を9か所考えます。

個数の少ない黒玉から入れていきましょう。
9か所の枠から2か所を選べば良いので、(9×8)÷(2×1)=36通りの入れ方があります。

次に、残り7か所になった枠から、赤玉が入る3か所を選びます。
(7×6×5)÷(3×2×1)=35通りですね。

残り4か所の枠には、白玉4個が自動的に入ることになります。

よって、36×35=1260通りが答えです。

 

(2)

「黒玉が隣り合わないような並べ方」よりも、「黒玉が隣り合う並べ方」の方が考えやすいので、隣り合う方を計算し、(1)で求めた全ての並べ方から引いて求めることにします。

黒玉が隣り合う位置として、

●●○○○○○○○
○●●○○○○○○
○○●●○○○○○
○○○●●○○○○
○○○○●●○○○
○○○○○●●○○
○○○○○○●●○
○○○○○○○●●

上に示したように、8通りの位置が考えられます。

この中で、例えば、

●●○○○○○○○

このように黒玉が隣り合っているとき、残り7か所の空き枠には赤玉3個と白玉4個が入ります。
これは、これまでの考え方と同じ。7か所のうちで赤玉の入る3か所の選び方は、(7×6×5)÷(3×2×1)=35通り。
白玉4個は残りの枠に自動的に収まります。

上で見た黒玉の隣り合い方8通りに対しては、全く同じように35通りの入れ方がありますね。
よって、黒玉が隣り合うような並べ方は、全部で35×8=280通りです。

黒玉が隣り合わないような並べ方を求めたかったので、(1)で求めた1260通りから、いま求めた280通りを引けば、答えが求まります。すなわち、1260-280=980通り。

 

(3)

一見、(2)と同じように解けそうですが、隣り合わない赤玉が3個になっていることで、だいぶ考えにくくなっています。

赤玉が隣り合ってしまう並べ方には、
●●●○○○○○○」や「○●●●○○○○○」のように3個がまとまっている場合だけでなく、「●●○○○○○」のような場合も含まれてくるのがやっかいです。

さて、こんなときはどうするか。

まず並べ方に制約のない「黒玉2個と白玉4個の計6個」を先に並べ、その後に「赤玉3個」をどう入れれば良いかを考えるのがコツです。

今の時点では、このような考え方に触れたことのある受験生はあまりいないと思いますが、意欲のある人はぜひ自力で考えてみましょう。

①「黒玉2個と白玉4個の計6個」の並べ方の数
②その後、「赤玉3個」が隣り合わないような入れ方の数

こんな手順で考えてみてください。
長くなってきたので、詳しい解説は次回に!

今回は、ここまで。

算数ドクター