みなさん、こんにちは。受験Dr.の桑田陽一です。
今回は、算数クイズの難問を1題。
算数が好きな4年生以上であれば、楽しめる問題だと思います!
問題
5つの整数A、B、C、D、Eがありますが、これらの値は分かっていません。
はるかさんは、この5つの整数を求めるために、以下のような質問を何度でもすることができます。
(あ)、(い)、(う)、(え)、(お)として好きなように5つの整数を選び、
質問
「(あ)×A + (い)×B + (う)×C + (え)×D + (お)×E」の値はいくつですか?
さて、はるかさんがA~Eの整数の値を確実に求めるためには、この質問を何回すれば良いでしょうか?
問題の意味をとらえることができたでしょうか?
例えば、A=1、B=2、C=3、D=4、E=5という5つの整数が定められているとします。
はるかさんは、この5つの整数を当てなければいけません。
そのために、はるかさんは別の5つの整数である、(あ)~(お)を選んで、
(あ)×A + (い)×B + (う)×C + (え)×D + (お)×E
の値を聞くことができます。
仮に、(あ)~(お)の全てに1を選んだとすると、
(あ)×A + (い)×B + (う)×C + (え)×D + (お)×E
=1×A + 1×B + 1×C + 1×D + 1×E
=A + B + C + D + E
つまり、A~Eの和である「15」という答えが返ってきます。
次に、(あ)=1、(い)=2、(う)=3、(え)=4、(お)=5を選んだとすれば、
1×1 + 2×2 + 3×3 + 4×4 + 5×5 =55より、
「55」という答えが返ってきます。
このように、何度でも(あ)~(お)を自由に選んで質問ができるのですが、確実にA~Eの値を求めるためには、何回の質問が必要かという問題です。
正直なところ、かなりの難問ですが、面白そうと思った人は少し考えてみましょうか。
…
…
…
…
…
「5回?」と思った人、とても鋭いセンスの持ち主です!
0も整数ですから、1回目の質問で
1×A + 0×B + 0×C + 0×D + 0×E
の値を聞けば、これはAの値そのものです。
以下、
0×A + 1×B + 0×C + 0×D + 0×E
0×A + 0×B + 1×C + 0×D + 0×E
0×A + 0×B + 0×C + 1×D + 0×E
0×A + 0×B + 0×C + 0×D + 1×E
の値を質問すれば、順にB、C、D、Eの値そのものが分かってしまいます。
よって、5回の質問でA~Eの値が確実に求められることは分かりました!
でも、これだけではつまらないですよね。
実際、もっと少ない回数でも、A~Eの値を求めることができるのです!
この先は、ノーヒントではかなり難しいと思います。
少し単純にした問題を手がかりに、考えてみましょう。
ヒント問題1
1けたの整数A、B、C、D、Eがあります。
この5つの整数を求めるために、以下のような質問を1回だけすることができます。
(あ)、(い)、(う)、(え)、(お)として好きなように5つの整数を選び、
質問
「(あ)×A + (い)×B + (う)×C + (え)×D + (お)×E」の値はいくつですか?
さて、A~Eの整数の値を確実に求めるためには、(あ)~(お)にどのような整数を選べば良いでしょうか?
求める整数に「1けた」という条件がつきました。
その代わりに、何と1回だけの質問で5つの整数を全て確実に求めることができます!
これなら、ひらめく人もいるかも?
ヒントは「10進法」です…。
…
…
…
…
…
解答
10000×A + 1000×B + 100×C + 10×D + 1×E
の値を質問することを考えてみましょう。
「あー、そういうことか!」と思った人もいるでしょうか?
例えば、A=1、B=2、C=3、D=4、E=5であったとしましょう。
先の式の値を質問すると、
10000×1 + 1000×2 + 100×3 + 10×4 + 1×5
=10000 + 2000 + 300 + 40 +5
=12345
という答えが返ってきますね。
一万の位、千の位、百の位、十の位、一の位の数字として、それぞれA~Eまでの値が現れています。
A~Eが1けたの整数であること、そして10進法の位取りの仕組みを活かして、1回の質問でA~Eの値をバラバラの位に表示することができましたね!
ヒント問題2
99以下の整数A、B、C、D、Eがあります。
この5つの整数を求めるために、以下のような質問を1回だけすることができます。
(あ)、(い)、(う)、(え)、(お)として好きなように5つの整数を選び、
質問
「(あ)×A + (い)×B + (う)×C + (え)×D + (お)×E」の値はいくつですか?
さて、A~Eの整数の値を確実に求めるためには、(あ)~(お)にどのような整数を選べば良いでしょうか?
問題1と比べ、整数の値の範囲が2けたまでに広がりました。
全く同じ式ではうまく行きませんが、考え方を活かせばやはり1回の質問で確実にA~Eの値を知ることができますよ!
…
…
…
…
…
と、長くなってきたので、今回はいったんここまで。
次回、ヒント問題2の解説と、元の問題の解決編をお送りします!
「できるかも!?」と感じた人は、ぜひ考えてみてくださいね。