みなさん、こんにちは。 海田真凜です。
なんだか秋が近づいてきた感じがしますね。
秋は大好きな季節です。
なぜなら
モンブランの季節だから。
いつもなら漆黒のイラストしか載せないのに
今回ばかりはカラー♪
(これ、真っ黒にすると、もはやケーキだと判別できない)
ホームページの講師紹介文にもあるように
モンブランにはこだわる海田。
偏食魔王の称号にふさわしく
この時期は毎日食べています、はい。
健康に良くない
そんな周囲の忠告を、軽やかに聞き流し
今年も相当な数を消費するでしょう。
・・・
・・・
・・・やっぱ、ダメ人間かも。
さ、気を取り直して。
前回、前々回と
珍しく算数そのものについて語ったワタクシ。
たまには算数を語らないと
算数科の講師としてどうなのよ
と思ったので書いてみました。
今回は
「間違いだらけな読解力のとらえ方」
あれっ、国語?
いえいえ
ここでの読解力とは
あくまでも算数の読解力
「算数における問題文の読解力とは?」
というお題です。
ではいきます。
< 国語の読解力VS算数の読解力 >
まず、ここで確認しておきたいこと。
それは
算数の読解力は、国語の読解力とは異なる
ということ。
算数の問題文の読み取りは
国語の成績によって大きく左右されるものではありません。
国語が抜群にデキるお子さんでも
算数では問題文の読み取りに苦心しているケースもありますし。
算数の問題文の読み取りで支障をきたしている
それは、国語ができないからではなく
算数の読解力に問題があるから。
う~ん、算数の読解力って厄介ですね。
< 「算数特有の意味」をおさえる >
国語の読解力が通用しない。
なぜ、こうも算数の読解力は厄介なのか?
その原因の1つとして
「算数特有の意味」があげられます。
実は、算数には
この場合には、こう読まなきゃいけない
というものが存在します。
この「算数特有の意味」を教わらないかぎり
知らないから解けない
はっきりしないから解けない
そんなことがおきます。
以下、例を挙げて見ていきましょう。
< 言葉を補う必要がある場合 >
兄が弟に300円あげると、所持金の比は7:5になります。
兄の所持金はいくらですか。
倍数算の和一定のタイプですね。
この問題に初めて触れた生徒のうち
3割くらいが
「どの時点での兄の所持金を答えるの?」
そう質問してきます。
この手の問題のときは
「もし兄が弟に300円をあげると、・・・」
と読まなければならない。
つまり、実際には300円をあげていないので
はじめの兄の所持金が問われているということです。
「はじめの兄の所持金はいくらですか。」
と明記してくれることもありますが
それは親切な問題文。
はじめの、がなくても、そう読まなければならないのです。
< 注釈がなければ○○ととらえる必要がある場合 >
では、次の例。
エスカレーターがあります。
太郎くんは1階から2階まで、エスカレーターに乗りながら、
一定の速さで1段ずつ歩いて30段のぼったところで上に
着きました。
次に、2階から3階までのエスカレーターに乗りながら、1階
から2階までの2倍の速さでのぼりました。
1階から2階までと2階から3階までの、かかった時間の比を
求めなさい。
苦手なお子さんが多い、エスカレーター問題です。
太郎くんがエスカレーターに乗りながら歩く
ということは
このときの速さは
「太郎くんの自力の速さ+エスカレーターの速さ」
となります。
では、問題文中に出てくる「速さ」がどの速さを意味しているのか?
A:「太郎くんの自力の速さ」
B:「太郎くんの自力の速さ+エスカレーターの速さ」
どちらか迷うところですが
この場合、注釈やただし書きがなければ
A:「太郎くんの自力の速さ」
を意味します。
算数の世界ではそう決まっているんですね。
もしBだとしたら
速さの比が1:2で、距離が同じだから
時間の比は逆比で2:1
とアッサリ解けてしまいます。
この問題文の長さで、このアッサリ感はおかしいし
問題文の3行目~5行目を使わずに解けるのもおかしい
と思ってほしいところではありますが。
< 論理パズル >
もう1ついきましょう。
太郎くんと次郎くんが1枚ずつ選び、自分のカードは見ずに
相手にだけ見せます。
太郎くんは次郎くんのカードを見ても自分のカードに書かれて
ある数はわかりませんでしたが、次郎くんが「自分のカードの数
はわからない」と言ったのを聞いて、自分のカードに書かれた数
がわかりました。
太郎くんと次郎くんのカードの数は、それぞれいくつですか。
有名な論理パズルです。
初見で解かせると
意味不明、とつぶやく生徒が続出します。
問題文中の「わからない」は
「今そろっている情報だけでは、答えが特定できない」
という意味です。
太郎くんは
(1)カードは[1]・[1]・[2] の3枚
(2)次郎くんのカードの数
という2つの情報を持っています。
これでは、まだ自分のカードが特定できないということは
次郎くんが[2]の可能性は消えます。
もし次郎くんが[2]だったら
太郎くんは自分のカードが[1]だとわかるはずですよね。
そこに、太郎くんのカードを知っている次郎くんが「わからない」と言ったことで
太郎くんは新たにどんな情報を手に入れたのでしょうか?
いくつか例をあげましたが
これ以外にも、「算数特有の意味」はたくさんあります。
1つ1つおさえていくしかないので
算数における語彙力を増やす
と思って取り組んでください。
お、うまくまとまったかも。
それでは、また。