みなさん、こんにちは。 海田真凜です。
5~6年前
当時の講師ブログに
担当生徒が発した『珍語録』
なるものを書いていました。
言葉を
「意味」としてではなく
「音」でとらえるがゆえに
ヘンテコ発言をする生徒が多かったあの頃。
一例を挙げると、こんな感じです。
学校の担任の先生がイヤだとぼやく生徒。
「だってエステニックなんだもん」
は??? エステ? エスニック?
「ほら、女の人って結構そうでしょ」
???
「すぐ怒り出すし」
・・・あ!!!
ヒステリックか
懐かしい思い出ですが
どうやら今年度、似たような雰囲気が漂っています。
生徒のヘンテコ発言を翻訳し、正しいコトバを覚えてもらう。
算数科の講師ですけどね。
でも、あの当時
珍語を連発していたにもかかわらず
入試が始まって、全勝街道を突き進んだ生徒
颯爽と御三家に進学した生徒
のことを考えると・・・
この雰囲気、むしろ歓迎すべきかも?
さて、今回のお題は
「食塩水の問題への取り組み方」
理科のお話ではありません。
あくまでも算数のお話。
食塩水は入試では頻出の分野。
どこの塾でも5年生で取り扱うことが多いですね。
割合と比の学習を終えたお子さんであれば
取り組める分野です。
食塩水の問題では
つまずきやすいポイント
がいくつかあります。
それを確認していきましょう。
< つまずきポイント①:濃度ってなに? >
「濃度」というコトバに初めてお目見えすると
濃さのことだろう
とコトバの意味はわかった気になります。
数値が高いと、濃い食塩水
数値が低いと、薄い食塩水
というイメージは持てるはずです。
でも問題を解く段階で
このコトバの意味を本当に理解していないと
混乱するケースがあります。
試しに、お子さんに
「20%の食塩水に含まれる水の割合は何%?」
と確認してみてください。
80%と即答できたお子さんは
濃度の意味を理解しています。
濃度とは、食塩水全体に対する食塩の割合、のこと。
20%の食塩水とは、食塩水全体のうち20%が食塩だということです。
ということは、残りの水の割合は、100-20=80%になりますね。
この、当たり前すぎることが、正しく理解できていないお子さんって
けっこう多いんです。
公式にあてはめて濃度の計算をしているなら
要注意。
今一度、確認してみてください。
< つまずきポイント②:食塩水を取り出すと濃度はどうなる? >
受験生であれば必ず取り組む、食塩水のやり取りの問題。
容器Aには10%の食塩水300g
容器Bには25%の食塩水200g
「容器Aから50gの食塩水を容器Bに入れてかき混ぜました。
容器Bの食塩水の濃さは何%になりましたか。」
このとき
「容器Aから移した50gの食塩水の濃度がわからないから、解けない」
と思ってしまうことがあります。
10%の食塩水300gから50g取り出すと
残った250gの食塩水も、取り出した50gの食塩水も、10%より薄くなる
そう思ってしまうわけです。
食塩水を取り出しても、濃度は変わらない。
容器Aから何g取り出したとしても
残った食塩水と取り出した食塩水は、どちらも濃度10%のまま。
そう説明しても、いまいちピンとこないお子さんも。
「う~ん、薄くなるような気がするけどな・・・」
反応が鈍いときは
次のような説明をしています。
ビンに入った果汁100%のオレンジジュースを買ってきた。
そのうちの半分をコップに入れて飲んだ。
コップに入れたジュースは果汁100%だし
残ったジュースも果汁100%。
どちらも100%から薄くなることはないよね。
この説明をすると
「あ~言われてみればそうだね」
と納得してくれます。
食塩水を取り出しても、濃度は薄くならず、もとのまま。
理解しているか、確認してみてください。
< つまずきポイント③:どの解法を選択すべき? >
食塩水の問題には複数の解法が存在します。
①3公式の表
②ビーカー図
③濃度面積図
④平均面積図
⑤てんびん
etc.
①②③のうちのいずれか・・・A
④⑤のいずれか・・・B
の2つの解法を使い分ける生徒がほとんどでしょう。
ここでつまずきのポイントとなるのが
AとBの使い分けについて。
どの問題のときにAを使い
どの問題のときにBを使うか。
その識別ができるかどうかで
差がつきます。
覚えておいてほしい識別方法は2つ。
【識別方法・1】
アにイを混ぜてウができたとき
つまり、ア+イ=ウ、とたし算の式で表現できるとき
B(平均面積図、てんびん)が使える
【識別方法・2】
食塩水の量が1種類しかわからないとき
A(3公式の表、ビーカー図、濃度面積図)では解けないので
B(平均面積図、てんびん)で解く
ドクターの、イメージde暗記「根本原理」ポイント160
でも取り上げている
重要なポイントです。
ぜひ覚えてください。
はい、ここまで~。
それでは、また。