みなさん、こんにちは。 海田真凜です。
とある帰国子女の生徒から
「ねぇ先生、これであってる?」
差し出された国語のプリント。
次のことわざは
すべて同じ意味を表しています。
[ ]にあてはまる言葉を書きなさい。
(1)[ ]の川流れ
(2)[ ]も木から落ちる
(3)[ ]も筆の誤り
よく見聞きすることわざですね。
で、生徒の答えはというと
(1)[ もも ]の川流れ
(2)[ りんご ]も木から落ちる
(3)[ ツイッター ]も筆の誤り
なかなか個性的ですな。
なぜにこの答え?
本人曰く
(1)「だって桃太郎のことでしょ?」
・・・日本の昔話で知っているのが
桃太郎と鶴の恩返しなんだそう。
(2)「知ってるよ、ニュートンの万有引力の法則♪」
・・・いや、違うから。
(3)「お姉ちゃん、しょっちゅうツイッターに間違ったこと書き込んでる
ヤバいよね~」
・・・時代は変わったもんだ。
これさ、全部同じ意味のことわざって書いてあるよね。
どんな意味だと思ったの?
「ん・・・なんか~
起きたことは仕方がない、気にするな! みたいな意味?」
おぉ、超ポジティブ。
この軽やかさがある限り
怖いもんなし。
さて、ここからつなげて
今回のお題は 「帰国子女の算数指導」
以前、メルマガのインタビューで
帰国子女の算数指導における留意点
みたいな内容を語った記憶があるのですが。
あれから月日もたっていることですし
頭の中で日々つらつらと考えていること
指導の現場で実際に行っていること
あらためてまとめてみようかと。
国語のタイヘンさに比べたら
算数のタイヘンさなんてたいしたこたぁない。
そう思って取り組んでいますが
でもね、講師としての葛藤は続くんですよ。
では、いきましょう。
コトバの問題は避けて通れない!? ~ その1
帰国子女の指導
突き詰めれば
コトバの問題です。
巷でよく言われる
問題文の読み取りについて
ハンデがある点。
確かにその通りです。
知らない表現に遭遇するのはしょっちゅう。
混乱する生徒もいれば
勝手な認識をしてとんでもない方向にいく生徒もいる。
それを目の当たりにして
ご家庭が焦るのも当然。
ただ個人的には
問題文の読み取りについて
さほど気にしていないんです。
なぜか?
コトバによる問題文の読み取りのハンデは
時期が来ればほぼ解消することがわかっているので。
一定の演習を重ねることで
算数の問題文でよく出てくる表現は
自然と取り込まれていきます。
例えば、旅人算でのおきまりの表現
「出会う」と「すれ違う」
「追いつく」と「追いこす」
コトバは違えど同じ意味。
はじめは混乱していますが
徐々に同じものと認識してくれます。
また、一定の演習を重ねることで
「よくわからないけど
算数の問題文だから
おそらくこんな意味なんだろう」
と推測する力が養われていきます。
日本語のすべてを理解させる必要はありません
あくまでも
中学受験の算数で必要なコトバを理解させる
中学受験の算数でよく出てくる問題設定を理解させる
それで十分なんです。
コトバの問題は避けて通れない!? ~ その2
じゃあ、コトバの問題は気にしなくていいんだね。
生徒自身は気にしなくてOKです。
ご家庭も気にしなくてOKです。
講師は・・・ダメなんですよ。
何が問題かというと
指導中の生徒とのやりとり。
生徒の話すコトバが
伝えたいことと一致していないケースがあるという点。
ん、なんかヘン、ズレてる???
とこちらが気づけばよいのですが
生徒が考えている内容と話す内容がズレているのに
偶然にも筋が通ってしまい
気づかずにスルーしてしまうことも。
生徒にしてみれば
なんだかしっくりこない気持ち悪さが残る。
そうならないように
アンテナを張って
生徒の話を聞く必要があるんです。
授業終わったら
心地よい疲労感
ときには
消耗しすぎて抜け殻に。
う~ん
生易しくはないですね。
コトバの問題は避けて通れない!? ~ その3
コトバによる問題文の読み取りのハンデは
時期が来ればほぼ解消することがわかっている
とさきほど言いましたが
時期が来るのを待つのも
ご家庭にしてみれば
ハラハラ、ドキドキ
がつきまとうわけです。
そこで
早い段階で得点源になる単元を作りたい。
何かひとつ得点源になる単元を作ると
生徒はそれだけで自信をつけ安心します。
算数の指導をすべて任されるのであれば
真っ先に取り組むのは
平面図形の強化
理由は
問題文にあまり影響されない単元だから。
志望校で出題される平面図形の特徴をおさえ
徹底的に演習を積み重ね
早期完成を目指す。
これまでドクターだけにお通いの帰国子女の指導において
この方針で進めて失敗したことがないので
おそらくは正しい方法論なのでは思っています。
今回、長いな・・・
指導論を語り出すと延々と続くので
このへんでやめときます。
それでは、また~