みなさん、こんにちは。 海田真凜です。
半ばシリーズ化していますが、今回のお題も
「ちょっとした計算の工夫④」
ここでの“計算の工夫”の定義を確認しましょう。
いわゆる純粋な計算問題で行う“計算の工夫”ではなく
算数の問題を解く過程で登場する、ちょっとした計算の工夫のこと。
そろそろ“ちりつも”(塵も積もれば山となる)の威力を実感してもらえているのでは・・・
と淡い期待を抱いて、4回目、いきましょう。
< ①あたりの大きさは問われていません >
まずは次の問題を解いてみましょう。
兄と弟の身長の比は8:7です。
弟の身長が150.5cmのとき、兄の身長は何㎝ですか。
【ふつうの計算方法】
兄の身長を⑧、弟の身長を⑦とすると
⑦=150.5cm
①=150.5÷7=21.5cm
⑧=21.5×8=172cm
【ちょっとした工夫】
この問題で求める必要があるのは兄の身長です。
兄の身長を一発で求められるのであれば、それに越したことはありませんね。
というわけで、①あたりの大きさを求めずに、一発で兄の身長を求めましょう。
ここで「分数倍」の出番です。
⑦=150.5cm
⑧=?
⑦を⑧にするためには 倍すればよいので
⑦=150.5cm
⑧=150.5×=172cm
< 平面図形でよく使います >
「分数倍」を頻繁に使うのが、平面図形の問題。
下の図の三角形ABCの面積は250㎠です。
BD:DC=2:3、AE:EC=4:3のとき、三角形ADEの面積を求めなさい。
BD:DC=2:3より、三角形ABD:三角形ADC=②:③
⑤=250㎠
①=250÷5=50㎠
・・・というように、①あたりの大きさを求めるのは、今回は禁止です。
「分数倍」を利用して、計算量をおさえましょう。
BD:DC=2:3より、三角形ADCは三角形ABCの
AE:EC=4:3より、三角形ADEは三角形ADCの
よって、三角形ADE=250×
< ありがたみを感じる瞬間です >
「分数倍」のありがたみを特に実感できるのが、次の問題。
と の間にある分母が50の分数で、これ以上約分できないものを求めなさい。
不等号を用いて範囲を表すと、このようになります。
両端の分数の分母を50にそろえます。
ここで「分数倍」が登場します。
分母の6を50にするには倍すればよいので
分子は
分母の9を50にするには倍すればよいので
分子は
より大きく444/9より小さい整数は、42、43、44
のうち、これ以上約分できないのは
おしまい。
それでは、また~