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投稿日:2021年03月18日

テーマ: その他

ちょっとした計算の工夫④

みなさん、こんにちは。 海田真凜です。

半ばシリーズ化していますが、今回のお題も
 「ちょっとした計算の工夫④」  

ここでの“計算の工夫”の定義を確認しましょう。
いわゆる純粋な計算問題で行う“計算の工夫”ではなく
算数の問題を解く過程で登場する、ちょっとした計算の工夫のこと。

そろそろ“ちりつも”(塵も積もれば山となる)の威力を実感してもらえているのでは・・・
と淡い期待を抱いて、4回目、いきましょう。

ちりつもの威力を実感

< ①あたりの大きさは問われていません >

まずは次の問題を解いてみましょう。

<問題>
兄と弟の身長の比は8:7です。
弟の身長が150.5cmのとき、兄の身長は何㎝ですか。

【ふつうの計算方法】
兄の身長を⑧、弟の身長を⑦とすると
⑦=150.5cm 
①=150.5÷7=21.5cm
⑧=21.5×8=172cm

【ちょっとした工夫】
この問題で求める必要があるのは兄の身長です。
兄の身長を一発で求められるのであれば、それに越したことはありませんね。

というわけで、①あたりの大きさを求めずに、一発で兄の身長を求めましょう。

ここで「分数倍」の出番です。

⑦=150.5cm
⑧=?

⑦を⑧にするためには 8/7 倍すればよいので
⑦=150.5cm
⑧=150.5×8/7172cm

兄弟の身長差

< 平面図形でよく使います >

「分数倍」を頻繁に使うのが、平面図形の問題。

<問題>
下の図の三角形ABCの面積は250㎠です。
BD:DC=2:3、AE:EC=4:3のとき、三角形ADEの面積を求めなさい。

三角形ABC

BD:DC=2:3より、三角形ABD:三角形ADC=②:③
⑤=250㎠  
①=250÷5=50㎠ 
・・・というように、①あたりの大きさを求めるのは、今回は禁止です。

「分数倍」を利用して、計算量をおさえましょう。

BD:DC=2:3より、三角形ADCは三角形ABCの3/5
AE:EC=4:3より、三角形ADEは三角形ADCの4/7
よって、三角形ADE=250×

< ありがたみを感じる瞬間です >

「分数倍」のありがたみを特に実感できるのが、次の問題。

ありがたみを感じる瞬間

<問題>
5/68/9 の間にある分母が50の分数で、これ以上約分できないものを求めなさい。

不等号を用いて範囲を表すと、このようになります。

両端の分数の分母を50にそろえます。
ここで「分数倍」が登場します。


分母の6を50にするには倍すればよいので
分子は


分母の9を50にするには倍すればよいので
分子は 

より大きく444/9より小さい整数は、42、43、44
のうち、これ以上約分できないのは

おしまい。

それでは、また~

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