みなさん、こんにちは。 海田真凜です。
今回のお題は
「割合を比に置き換える」
「割合」と「比」の両方の学習を終えた5年生にぜひ取り組んでもらいたい内容です。
早速、いきましょう。
< 割合と比の置き換え とは? >
大手進学塾のカリキュラムでは
5年前期に割合を学習し
5年夏休み、もしくは5年後期に比を学習します。
比の学習が始まると
“割合と比を自在に行き来できる力”の有無により
成績に差がついていきます。
割合を比に置き換える
(例)AはBの5/6 倍 ⇒ A:B=5:6
比を割合に置き換える
(例)A:B=2:5 ⇒ AはBの2/5 倍
この置き換え
どんなときに使うのか?
使うとどんなメリットがあるのか?
というと
割合を比に置き換える
使うとき:問題文を読んで解答方針を立てる段階
メリット:問題が理解しやすくなる →着眼点がつかみやすくなる
比を割合に置き換える
使うとき:解き進めていく過程での計算処理段階
メリット:処理量を減らすことができる →はやく解ける
この、割合と比の置き換えは
塾のカリキュラムには含まれていません。
ですから、問題を解きやすくするために置き換えをする
という発想すらないお子さんがいるのも事実。
というわけで
今回は、割合⇒比の置き換えトレーニング
次回は、比⇒割合の置き換えトレーニング
2回に分けて取り組んでみましょう。
< 割合⇒比の置き換え トレーニング1 >
問2. Aの0.625倍がBのとき、A:Bは?
問3. BはAの75%のとき、A:Bは?
解説1.
Bの 5/6 倍とは、Bを6個に分けたうちの5個分です。
Aが5個分、Bが6個分
よって、A:B=5:6
多くのテキストの解説に載っている式は
A:B = 5/6 : 1 = 5/6 : 6/6 = 5:6
これ、あまりおススメしません。
通分して比に直すという流れは
どうしても「もとにする量が1」「全体が1」という割合の概念に縛られます。
通分するという手間もムダです。
割合と比を自在に行き来する力を身に着けるにあたっては
全体やある部分を「1」ととらえるのではなく、「分数の分母の数」でとらえる
意識を持たせることが重要です。
この場合も、Bの5/6倍ときたら、Bは「1」ではなく、分母の「6」と瞬時にとらえるようにしましょう。
解説2.
0.625を分数に直すと 5/8
Aの5/8 倍がBなので、Aは分母の8個分、Bは5個分
よって、A:B=8:5
解説3.
75%=0.75=3/4
Bの3/4 倍がAなので、Bは分母の4個分、Aは3個分
よって、A:B=3:4
< 割合⇒比の置き換え トレーニング2 >
次のトレーニングは、割合の増減がある場合です。
問2. Aの2/7 を減らすとBになる。A:Bは?
問3. AはBの15%増し。A:Bは?
解説1.
Aの1/6 より、Aは分母の6個分
そこから1個分が増えるので、Bは6+1=7個分
よって、A:B=6:7
解説2.
Aの2/7 より、Aは分母の7個分
そこから2個分が減るので、Bは7-2=5個分
よって、A:B=7:5
解説3.
15%=0.15=3/20
Bの3/20 なので、Bは分母の20個分
そこから3個分が増えるので、Aは20+3=23個分
よって、A:B=23:20
これで、割合⇒比のトレーニングは完了です。
< 今回の到達目標 >
ある遊園地で、今日の入場者数は、昨日の入場者数より1/13減りました。
昨日の入場者数は、今日の入場者数の何分のいくつ多かったですか。
昨日の入場者数より1/13減ったので
昨日は分母の13個分
そこから1個分減ったので、今日は13-1=12個分
昨日:今日=⑬:⑫
今日は⑫で、昨日は⑬-⑫=①多いので、①/⑫=1/12増えた
いかがでしたか?
問題文中の割合表現を比に置き換えるだけで
随分とわかりやすくなることが実感できたかと思います。
次回は、今回と逆の
比⇒割合の置き換え、を取り扱います。
それでは、また~