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投稿日:2021年10月26日

テーマ: 算数

売買損益①

みなさん、こんにちは。 海田真凜です。

今回のお題は
「売買損益」
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「売買損益、大嫌い」というお子さんが
つまずきやすいのは以下の4段階。

① 値段設定の割増し、割引き、利益の処理が安定しない。
② 値段設定の流れ(原価・定価・売り値・利益)を行き来できない。
③ 商品が1個のときは大丈夫。でも「個数」が出てくると正答率が下がる。
④ 値段や個数が不明な問題で、どこまで比を使ってよいのか判断できない。

この①基礎,②基礎、③標準、④応用、の3段階でのつまずきを解消していきましょう。

では、各段階でのつまずき解消のためのトレーニング、開始!

・・・といきたいところですが
トレーニングを行うための導入として、今回は
・用語の確認
・値段設定の流れ
を確認しておきましょう。

< 売買損益特有の用語 >

商品の値段を示す用語は複数あります。
馴染みがないとそれだけで混乱のもと。
いったん、整理します。

・原価=仕入れ値
・定価
・売価=売り値
・利益=もうけ

ここでは、原価、定価、売り値、利益、で用語を統一します。

< 値段設定の流れ >

近所のスーパーマーケットが主人公です。
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1.原価
スーパーで売られている大根。
これ、スーパーが育てている? 
ちがいますよね。
スーパーが農家から買ってくる(=仕入れてくる)わけです。

この、スーパーが農家から買ったときの大根の値段が「原価」です。

2.原価から定価へ
スーパーはもうけるために
仕入れた大根を原価ではなく、それよりも高い値段で売ろうとします。
このときスーパーがつけた値段が「定価」です。

ここで、1つ目の落とし穴、登場。

定価を説明する問題文でよく出てくる言い回しが
「2割の利益を見込んで定価をつけた」

この言い回し、「2割の利益」の前に、ある言葉が隠れています。
そこを正しく補わずに、なんとなく解いていませんか?
隠れている言葉を必ず補ってください。

原価の2割の利益を見込んで定価をつけた」

見込んだ利益 = 原価の2割 = 原価の0.2倍

原価の0.2倍を原価に加えたものが定価なので
原価×(1+0.2)=定価

つまり
原価×(1+利益率)=定価
という式が成り立ちます。

3.定価から売値へ
定価で大根が売れればよいのですが
算数の世界では売れないことが多い。
売れるようにするために
スーパーは値引きして、定価よりも安い値段にします。

この定価よりも安い値段でめでたく商品が売れたら
その値段が「売り値」となります。

売り値を説明する問題文でよく出てくる言い回しが
「定価の2割引きで売った」

売り値 = 定価の2割引き = 定価の(1-0.2)倍 = 定価×(1-0.2)

つまり
定価×(1-値引き率)=売り値
という式が成り立ちます。

商品が売れた値段が「売り値」です。
もし定価で商品が売れたら
定価=売り値となることに注意しましょう。

4.利益
売り値が原価より高ければ利益が出ます。
つまり、「売り値」から「原価」をひいたものが「利益」です。

売り値が原価より安ければ
スーパーは損をします。

売り値が原価と等しければ
スーパーは損も得もしない。
つまり、損をしないギリギリのラインが「売り値」=「原価」のときです。

ここで、2つ目の落とし穴、登場。

「売り値」から「原価」を引いたものが「利益」だと理解しているのに
・「原価」と「利益」がわかっていたら「売り値」が求められる、ということに気づかない
・「売り値」と「利益」がわかっていたら「原価」が求められる、ということに気づかない

売り値-原価=利益
という式が成り立っているので
逆算で売り値も原価も求めることができるわけです。

原価と売り値は利益で結びついている!
と覚えておきましょう。

< まとめ >

これで、売買損益の導入はおしまい。

   原価
    ↓
   定価
    ↓
   売り値

⇒利益

このような値段設定の流れ、頭に入りましたか?

次からは、値段設定の流れの中で実際に計算を進めてみましょう。

それではまた~

算数ドクター