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投稿日:2021年12月24日

テーマ: 算数

売買損益③

みなさん、こんにちは。 海田真凜です。

前回に続き、今回のお題も
「売買損益」
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「売買損益、大嫌い」というお子さんが
つまずきやすいのは以下の4段階。

① 値段設定の割増し、割引き、利益の処理が安定しない。
② 値段設定の流れ(原価・定価・売り値・利益)を行き来できない。
③ 商品が1個のときは大丈夫。でも「個数」が出てくると正答率が下がる。
④ 値段や個数が不明な問題で、どこまで比を使ってよいのか判断できない。

前回は、上記の①段階でのつまずき解消のためのトレーニングを行いました。

今回は、上記の②段階でのつまずき解消のために、
2つのトレーニングのうち、片方のトレーニングを行います。
次回行う、もうひとつのトレーニングとセットで完成します。

到達目標は、商品1個のとき、値段設定の流れを自在に行き来できるようにする。

では、いきましょう。

< すべて登場 >

値段設定の流れを上から下まで行き来するトレーニング。
原価、定価、売り値、利益がすべて登場します。

値段設定の流れは、常に念頭に置く必要あり!
そこで、約束事として、必ず次のような型を書きましょう。

原価

定価

売り値

➡利益

漢字で書くと時間がかかるので、ひらがなでもOKです。





➡り

トレーニング
問1. 500円で仕入れた商品に4割の利益を見込んで定価をつけて、それを定価の2割5分引き
  で売りました。利益は何円ですか。
問2. 原価が1500円の商品に[  割  分]の利益を見込んで定価をつけました。売れな
  いので、定価の2割引きで売ったところ、108円の利益がありました。[  ]にあて
  はまる数を求めなさい。
問3. 定価1200円の商品を25%引きの値段で売ったところ、100円の利益になります。この
  商品の原価は何円ですか。
問4. 1000円で仕入れた商品に5割増しの定価をつけました。売れなかったので、値引きして
  売ったところ、2割の利益になりました。定価の何割引きで売りましたか。
問5. 原価2500円の商品について、定価の2割引きで売っても原価の2割の利益があるように
  するには、定価は原価の何割増しにすればよいですか。

解説1.
型を書き、わかるところから埋めていきましょう。
値段設定の流れにしたがって、上から順に求めることができます。

げ 500円

て 500×(1+0.4)=700円

う 700×(1-0.25)=525円

➡り 525-500=25円

解説2.
型を書き、わかるところから埋めていきます。
3点セットに注目して、求められるものを判断するのは、前回のトレーニングと同様です。

げ 1500円

て 

う 1500+108=1608円 ・・・原価、利益があるので、売り値が求められる

➡り 108円 

値引き率、売り値があるので、定価が求められる
定価×(1-0.2)=1608
定価=1608÷0.8=2010円

原価、定価があるので、利益率が求められる
1500×(1+利益率)=2010
利益率=2010÷1500-1=0.34=3割4分

解説3.
型を書き、わかるところから埋めていきます。
3点セットに注目して、求められるものを判断しましょう。

げ 

て 1200円

う 1200×(1-0.25)=900円

➡り 100円 

売り値、利益があるので、原価が求められる
900-原価=100
原価=900-100=800円

解説4.
型を書き、わかるところから埋めていきます。
「2割の利益」はお決まりの隠れた言葉を補って「原価の2割の利益」です。
つまり、利益=原価の2割=原価の0.2倍=原価×0.2、ということです。

あとは3点セットに注目して、求められるものを判断しましょう。

げ 1000円 

て 1000×(1+0.5)=1500円

う 1000+200=1200円 ・・・原価、利益があるので、売り値が求められる

➡り 1000×0.2=200円 

定価、売り値があるので、値引き率が求められる
1500×(1-値引き率)=1200
値引き率=1-1200÷1500=0.2=2割引き

解説5.
型を書き、わかるところから埋めていきます。
3点セットに注目して、求められるものを判断しましょう。

げ 2500円 

て 

う 2500+500=3000円 ・・・原価、利益があるので売り値が求められる

➡り 2500×0.2=500円 

値引き率、売り値があるので、定価が求められる
定価×(1-0.2)=3000
定価=3000÷0.8=3750円

原価、定価があるので、利益率が求められる
2500×(1+利益率)=3750
利益率=3750÷2500-1=0.5=5割増し

< まとめ >

今回の、値段設定の流れを上から下まで行き来するトレーニング。
原価、定価、売り値、利益がすべて登場するタイプはこれで完了です。

次回のトレーニングは
実際の金額が一部しか分からず、型にあてはめても解き進めることができないパターンです。

それではまた~

算数ドクター