みなさん、こんにちは。 海田真凜です。
前回に続き、今回のお題も
「売買損益」
「売買損益、大嫌い」というお子さんが
つまずきやすいのは以下の4段階。
① 値段設定の割増し、割引き、利益の処理が安定しない。
② 値段設定の流れ(原価・定価・売り値・利益)を行き来できない。
③ 商品が1個のときは大丈夫。でも「個数」が出てくると正答率が下がる。
④ 値段や個数が不明な問題で、どこまで比を使ってよいのか判断できない。
前回は、上記の②段階でのつまずき解消のため
2つのトレーニングのうち、片方のトレーニングを行いました。
今回は残りのもうひとつのトレーニングを行います。
到達目標は、商品1個のとき、値段設定の流れを自在に行き来できるようにする。
では、いきましょう。
< 数値が不足している >
実際の金額が一部しか分からず
型にあてはめても解き進めることができないパターンのトレーニングです。
利益だけ実際の金額を問題文中で与えられることが多いですね。
まずは原価を100として、うまくいかなければ定価を100として、型をうめていきます。
問1. ある商品を[ ]円で仕入れ、40%増しの定価をつけました。定価の15%引きで
売ったので、利益は570円になりました。[ ]にあてはまる数を求めなさい。
問2. 仕入れた商品に2割の利益を見込んで定価をつけ、定価の1割引きで売ったところ、384
円の利益がありました。この商品は何円で仕入れましたか。
問3. ある商品を[ ]円で仕入れました。2割5分の利益を見込んで定価をつけ、定価の
[ 割 分]引きの630円で売ったところ、利益は5分になりました。それぞれ、
[ ]にあてはまる数を求めなさい。
解説1.
原価を100として、型をうめます。
げ 100
↓
て 100 ×(1+0.4)=140
↓
う 140 ×(1-0.15)=119
➡り 119-100=19 ・・・これが570円
19=570円
100=570×100/19=3000円
解説2.
原価を100として、型をうめます。
げ 100
↓
て 100 ×(1+0.2)=120
↓
う 120 ×(1-0.1)=108
➡り 108-100 = 8 ・・・これが384円
8 =384円
100=384×100/8=4800円
解説3.
原価を100として、型をうめます。
げ 100
↓
て 100 ×(1+0.25)=125
↓
う 100+ 5 =105 ・・・原価、利益があるので、売り値が求められる
➡り 100×0.05= 5
定価、売り値があるので、値引き率が求められる
125×(1-値引き率)=105
値引き率=1-105÷125=0.16=1割6分引き
売り値 105=630円なので
原価 100=630×100/105=600(円)
2つのトレーニング、これで完了!
< 入試問題で仕上げ >
最後は入試問題を用いて、実戦演習です。
値段設定の流れにおいて、3点セットに着目して求められるものを確認し
型をうめていきましょう。
それぞれ[ ]にあてはまる数を求めなさい。
3600円で仕入れた品物に[ ]%の利益を見込んで定価をつけましたが、
定価の10%引きで売ったので、利益は450円になりました。
【2】<成城学園>
原価2500円の商品に[ ]円の利益を見込んで定価をつけましたが、
売れないので定価の20%引きで売ったところ、原価の4%の利益を得ました。
【3】<立教池袋>
あるスーパーマーケットでは、商品Aを定価の2割引きで売っていますが、
それでもまだ原価の12%の利益があります。
この商品の定価は原価の[ ]倍です。
【4】<慶應中等部>
原価[ ]円の商品に3割増しの定価をつけ、その後、定価の2割引きで売ったところ、
利益は34円でした。
【5】<学習院女子>
仕入れ値に対して4割のもうけを見込んで定価をつけましたが、
売れ残ったので定価の2割引きで売ったところ570円の利益がありました。
定価は[ ]円です。
解説【1】
げ 3600円
↓
て
↓
う 3600+450=4050円 ・・・原価、利益があるので、売り値が求められる
➡り 450円
値引き率、売り値があるので、定価が求められる
定価×(1-0.1)=4050
定価=4050÷0.9=4500円
原価、定価があるので、利益率が求められる
3600×(1+利益率)=4500
利益率=4500÷3600-1=0.25=25%
解説【2】
げ 2500円
↓
て
↓
う て×(1-0.2)
➡り 2500×0.04=100円
原価、利益があるので、売り値が求められる
売り値=2500+100=2600円
値引き率、売り値があるので、定価が求められる
定価=2600÷(1-0.2)=3250円
定価、原価があるので、見こんだ利益が求められる
3250-2500=750円
解説【3】
実際の金額がないので、原価を100として、型をうめていきましょう。
げ 100
↓
て
↓
う 100+12=112 ・・・原価、利益があるので、売り値が求められる
➡り 100×0.12=12 ・・・利益は原価の12%=原価の0.12倍
値引き率、売り値があるので、定価が求められる
定価×(1-0.2)=112
定価=112÷0.8=140
よって、定価140は原価100の何倍か?
140÷100=1.4倍
解説【4】
実際の金額が利益しかないので、原価を100として、型をうめていきましょう。
げ 100
↓
て 100×(1+0.3)=130
↓
う 130×(1-0.2)=104
➡り 104-100= 4 ・・・これが34円
4 =34円
100=34×100/4=850円
解説【5】
実際の金額が利益しかないので、原価を100として、型をうめていきましょう。
げ 100
↓
て 100×(1+0.4)=140
↓
う 140×(1-0.2)=112
➡り 112-100=12 ・・・これが570円
12=570円
140=570×140/12=6650円
今回のトレーニングの到達目標は
1個の商品について、値段設定の流れを自在に行き来できるようにする。
商品1個バージョンは、もう大丈夫。
さあ、次回は商品に「個数」が出てくる問題に取り組みましょう。
それではまた~