みなさん、こんにちは。 海田真凜です。
前回に続き、今回のお題も
「売買損益」
「売買損益、大嫌い」というお子さんが
つまずきやすいのは以下の4段階。
① 値段設定の割増し、割引き、利益の処理が安定しない。
② 値段設定の流れ(原価・定価・売り値・利益)を行き来できない。
③ 商品が1個のときは大丈夫。でも「個数」が出てくると正答率が下がる。
④ 値段や個数が不明な問題で、どこまで比を使ってよいのか判断できない。
今回は、上記の③段階でのつまずき解消のためのトレーニングPart.3です。
では、いきましょう。
< 今回の到達目標 >
「商品たくさんバージョン」で、型にあてはめて解き進めよう! と思っても
解き進めることができないパターンがあります。
①実際の金額が一部しか分からない
②仕入れた商品の個数がわからない
今回の到達目標は、上記②のパターンを、比を使って型にあてはめて解き進める。
ではトレーニング開始です。
< 数値が不足していたら ➡ 個数を比でおく >
仕入れた商品の個数がわからないパターンのトレーニングです。
実際の金額が不足しているときは、原価を100として型にあてはめて解き進めました。
今回は個数がわからないので、仕入れた商品の個数を 1 個とします。
問1. コップを1個120円で何個か仕入れましたが、20個がわれてしまいました。
残りのコップを1個160円ですべて売ったところ、利益は7200円になりました。
仕入れたコップは全部で何個ですか。
問2. コップを1個280円で仕入れ、定価の360円で売ったところ、12個売れ残り、
全体で8480円の利益がありました。
仕入れたコップは全部で何個ですか。
こわれて売れない商品がある、売れ残った商品がある場合には、
「もし、仕入れた商品がすべて売れていたら、全体の利益はいくらになるか?」
という着眼点で解く方法があります。
この解法をとる場合には
「あとから追加された売上は、すべてそのまま利益になる」
ことを理解しておく必要があるのですが、とても間違えやすいんですね。
その解法はまたの機会に説明するとして…
ここでは、今回の到達目標である、型にあてはめて解くことを徹底しましょう。
どんな問題でも同じ型で解ける方が、再現性が高く、安定します。
解説1.
わかっている数値を型に書き込むと
げ 120円 × ●●個 = ●●●円 総仕入れ
て 160円 × ●●個 = ●●●円 総売上
売れ残り 20個
総売上 - 総仕入れ = 総利益
●●●円 ●●●円 7200円
これ以上解き進めることができません。
そこで、仕入れたコップの個数を 1 個として、解き進めましょう。
げ 120円 × 1 個 = 120円 総仕入れ
て 160円 ×( 1 -20)個 = 160× 1 -160×20 = 160円-3200円 総売上
売れ残り 20個
総売上 - 総仕入れ = 総利益
160円-3200円 120円 40 円-3200円 ・・・これが 7200円
総利益 40 円-3200円=7200円
40 円=10400円
よって、仕入れたコップの数は 1 =10400÷40=260個
解説2.
わかっている数値を型に書き込むと
げ 280円 × ●●個 = ●●●円 総仕入れ
て 360円 × ●●個 = ●●●円 総売上
売れ残り 12個
総売上 - 総仕入れ = 総利益
●●●円 ●●●円 8480円
これ以上解き進めることができません。
そこで、仕入れたコップの個数を 1 個として、解き進めましょう。
げ 280円 × 1 個 = 280円 総仕入れ
て 360円 ×( 1 -12)個 = 360× 1 -360×12 = 360円-4320円 総売上
売れ残り 12個
総売上 - 総仕入れ = 総利益
360円-4320円 280円 80 円-4320円 ・・・これが 8480円
総利益 80 円-4320円=8480円
80 円=12800円
よって、仕入れたコップの数は 1=12800÷80=160個
< まとめ >
仕入れた商品の個数がわからず
「商品たくさんバージョン」の型にあてはめてもそのままでは解き進めることができないパターン
このパターンについては、仕入れた商品の個数を 1 個とし、型をうめていく
比を含んだ式の処理(マルイチ算での式処理ですね)にも慣れましたか?
算数を得意にしたいなら、この式処理の力は必須ですよ。
次回は③段階の総仕上げ、トレーニングPart.4です。
それではまた~