みなさん、こんにちは。 海田真凜です。
前回に続き、今回のお題も
「売買損益」
「売買損益、大嫌い」というお子さんが
つまずきやすいのは以下の4段階。
① 値段設定の割増し、割引き、利益の処理が安定しない。
② 値段設定の流れ(原価・定価・売り値・利益)を行き来できない。
③ 商品が1個のときは大丈夫。でも「個数」が出てくると正答率が下がる。
④ 値段や個数が不明な問題で、どこまで比を使ってよいのか判断できない。
今回は、上記の③段階でのつまずき解消のためのトレーニング、最後のPart.4。
「商品たくさんパターン」の総仕上げです。
では、いきましょう。
< 今回の到達目標 >
「商品たくさんバージョン」で、型にあてはめて解き進めよう! と思っても
解き進めることができないパターンがあります。
①実際の金額が一部しか分からない
②仕入れた商品の個数がわからない
今回の到達目標は、上記①②のパターンにつき、迷いなく解き進める。
入試問題を用いての実践演習です。
では、いきましょう。
< 入試問題で総仕上げ >
りんご1200個を1個100円で仕入れ、利益を見込んで定価をつけました。
500個は定価で、400個は定価の10円引きで、残りは定価の2割引きで売ったところ
35600円の利益がでました。りんご1個の定価はいくらですか。
ただし、消費税は考えないものとします。
仕入れ値が1個300円の品物を60個仕入れ、仕入れ値の[ ]%増しの定価をつけました。
この品物を、60個のうち10個は定価の3割引きで、20個は定価の2割引きで、
25個は定価のままで売り、5個は売れ残りました。その結果、4320円の利益となりました。
[ ]にあてはまる数を求めなさい。
たまごを1個15円で仕入れました。
店まで運ぶとちゅうで18個がこわれましたが、残りを1個20円で売ったところ、
2440円の利益がありました。仕入れたたまごは全部で何個ですか。
ある店では4月から、商品Aを毎月仕入れて売っています。
月によって仕入れる個数は同じとは限りませんが
1個あたりの仕入れの値段は毎月同じであるものとします。
このとき、次の各問いに答えなさい。
(1) 4月には、商品Aを120個仕入れて、5割の利益をつけた定価で売っていましたが、
仕入れた個数の6割が売れたところで、定価の半分の値段で売り始めました。
その結果、4月中に残りの商品がすべて売れました。
4月の利益の合計が4800円であったとき、商品Aの1個あたりの仕入れの値段はいくらですか。
(2) 5月には、商品Aを何個か仕入れて、6割の利益をつけた定価で売っていましたが、
仕入れた個数の半分より5個多く売れたところで、定価の25%引きで売り始めました。
その結果、5月中に残りの商品がすべて売れました。
5月の利益の合計が7600円であったとき、5月に仕入れた商品は何個でしたか。
解説【1】
げ 100円 × 1200個 = 120000円 総仕入れ
て ●●●円 × 500個 = ●●●円 ⤵
う ●●●円 × 400個 = ●●●円 → ●●●円 総売上
う ●●●円 × 300個 = ●●●円 ⤴
総売上 - 総仕入れ = 総利益
●●●円 120000円 35600円
総売上 120000円+35600円=155600円
これ以上解き進めることができません。
そこで、定価を 100 円として、解き進めましょう。
げ 100円 × 1200個 = 120000円 総仕入れ
て 100 円 × 500個 = 50000 円 ⤵
う ( 100 -10)円 × 400個 = 40000 円-4000円 → 155600円 総売上
う 80 円 × 300個 = 24000 円 ⤴
総売上 50000 円+ 40000 円-4000円+ 24000 円 =155600円
114000 円 -4000円=155600円
114000 円=159600円
よって、定価は 100 =159600×100/114000=140円
解説【2】
げ 300円 × 60個 = 18000円 総仕入れ
て ●●●円 × 25個 = ●●●円 ⤵
う ●●●円 × 10個 = ●●●円 → ●●●円 総売上
う ●●●円 × 20個 = ●●●円 ⤴
売れ残り 5個
総売上 - 総仕入れ = 総利益
●●●円 18000円 4320円
総売上 18000円+4320円=22320円
これ以上解き進めることができません。
そこで、定価を 100 円として、解き進めましょう。
げ 300円 × 60個 = 18000円 総仕入れ
て 100 円 × 25個 = 2500 円 ⤵
う 70 円 × 10個 = 700 円 → 22320円 総売上
う 80 円 × 20個 = 1600 円 ⤴
総売上 2500 円+ 700 円+ 1600 円=22320円
4800 円=22320円
定価 100 円=22320×100/4800=465円
よって、300×(1+利益率)=465
利益率=465÷300-1=0.55=55%増し
解説【3】
げ 15円 × ●●個 = ●●●円 総仕入れ
て 20円 × ●●個 = ●●●円 総売上
売れ残り 18個
総売上 - 総仕入れ = 総利益
●●●円 ●●●円 2440円
これ以上解き進めることができません。
そこで、仕入れたコップの個数を1 個として、解き進めましょう。
げ 15円 × 1 個 = 15 円 総仕入れ
て 20円 ×( 1 -18)個 = 20× 1 - 20×18 = 20 円-360円 総売上
売れ残り 18個
総売上 - 総仕入れ = 総利益
20 円-360円 15 円 5 円-360円 ・・・これが2440円
総利益 5 円-360円 =2440円
5 円=2800円
よって、仕入れたたまごの数は 1 =2800÷5=560個
解説【4】(1)
げ ●●●円 × 120個 = ●●●円 総仕入れ
て ●●●円 × 72個 = ●●●円 ⤵
●●●円 総売上
う ●●●円 × 48個 = ●●●円 ⤴
総売上 - 総仕入れ = 総利益
●●●円 ●●●円 4800円
これ以上解き進めることができません。
そこで、原価を100円として、解き進めましょう。
定価 100×(1+0.5)=150円
売り値 150÷2= 75 円
げ 100円 × 120個 = 12000円 総仕入れ
て 150円 × 72個 = 10800円 ⤵
14400円 総売上
う 75 円 × 48個 = 3600円 ⤴
総売上 - 総仕入れ = 総利益
14400円 12000円 2400円 ・・・これが4800円
総利益 2400円=4800円
よって、原価は 100円=4800×100/2400=200円
解説【4】(2)
げ 200円 × ●●個 = ●●●円 総仕入れ
て 320円 × ●●個 = ●●●円 総売上
う 240円 × ●●個 =
売れ残り 20個
総売上 - 総仕入れ = 総利益
●●●円 ●●●円 7600円
これ以上解き進めることができません。
そこで、仕入れたコップの個数を 2 個として、解き進めましょう。
※仕入れたコップの個数を 1 個としても構いませんが
「仕入れた個数の半分より5個多く売れた」とあるので
半分にしても整数になる 2 個の方が計算がラクになります。
げ 200円 × 2 個= 400円 総仕入れ
て 320円 ×( 1 +5)個 = 320円+1600円 ⤵
560円+400円 総売上
う 240円 ×( 1 -5)個 = 240円-1200円 ⤴
総売上 - 総仕入れ = 総利益
560円+400円 400円 160円+400円・・・これが7600円
総利益 160円+400円=7600円
160円=7200円
よって、仕入れた商品の個数は 2 個=7200×2/160=90個
これで、商品たくさんバージョンの土台は固まりました
次は、商品たくさんバージョンで「わかっている実際の数量が少なすぎ」
という問題を攻略します。
それではまた~